メンタルヘルス対策への第一歩|企業が取り組むべき対策と事例紹介

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

メンタルヘルス

経済情勢の急激な変化に伴い、長時間労働による体調不良のみならず、精神面の不調を抱える方が増えています。厚生労働省による「健康日本21」でもメンタルヘルスに関して言及がされており、企業における社員のメンタルヘルス対策は急務といえます。

今回は企業のメンタルヘルス対策について、いくつか事例を交えてご紹介します。

メンタル不調者が出やすい企業の特徴

メンタル不調者が出やすい企業には特徴があります。

例えば、過重労働の常態化や長時間労働の慣習化など、心身に負担がかかる労働を強いている企業は、メンタル面で不調を訴える社員が出やすい傾向にあります。

また、メールやチャットの普及により、対面によるコミュニケーションは減少傾向にあります。ワークスタイルの変化によってコミュニケーション不足に陥り、誰にも相談できないまま1人で仕事や責任を抱え込んでしまい、メンタルに不調が出てしまうケースもみられます。

 

メンタルヘルス対策は何から取り組むべきか

予防について

【ストレスチェック制度の導入】

ストレスチェック制度の導入

ストレスチェック制度は2015年12月から50人以上の労働者がいる会社に実施が義務付けされました。厚生労働省の説明によると、ストレスチェック制度とは定期的に労働者のストレス状態について検査し、本人にその結果を通知して自らのストレス状況に気づかせる制度のことです。メンタルヘルス不調のリスクの低減と検査結果を集団的に分析し、職場改善につなげることができます。

参考:ストレスチェック制度に関する法令

【部下との密なコミュニケーション】

部下と密なコミュニケーションをとることで、不調にいち早く気づくことができます。わざわざミーティングの場を設定しなくても、「最近、残業が多いようだけれど、体は大丈夫?」とか「この間のレポート、よくできていたよ」など軽く声をかけるだけでも、部下が話をしやすい雰囲気作りに役立つでしょう。

 

事後対策について

【メンタル不調者の早期発見と適切な対応】

メンタル不調者自身が自分の不調に気づき、自発的に相談することはそう多くありません。メンタル面が弱い社員がいる場合、周囲の人が普段から様子を観察し、おかしいと思ったら産業医面談や医療機関への受診を勧めるなど、適切な対応をしましょう。

【休職社員への復帰支援】

メンタル不調者が休職してしまった場合、休業開始から職場復帰後まで、適切な復職支援を行います。「休職中のケア」「主治医による職場復帰可能の判断」「職場復帰可否の判断および職場復帰支援プランの作成」の対応に加え、職場復帰後に問題が発生していないかフォローすることで、再休職の防止につながります。

 

企業が取り組んだメンタルヘルス対策の事例

1)早期段階で産業医面談を勧める体制作り

ITエンジニアは残業時間が多く、常に納期に追われていることが多いといえます。あるシステム開発会社では、メンタル不調者が休職して数カ月後にそのまま退職してしまうケースが増え、在籍している社員に負担が増えることで別の休職者が出る……という悪循環に陥っていました。

そこで、この企業では、周囲が不調のサインに気づける仕組みや、本人に産業医面談を勧める体制を作りました。その結果、メンタル不調者が減少しただけでなく、休職しても病状が安定したら職場復帰をするケースが増えました。

2)相談窓口の設置

相談窓口の設置

全国に支店や営業所がある企業の場合、全社員の状況を把握することは難しいものです。ある企業は支店でメンタルヘルス不調者が出たことをきっかっけに、各支店に対して業績報告と社員の状況報告をしてもらう仕組みを作りました。

また、メンタル不調者に対しては本社所属の保健師とメールや電話ができる相談窓口を設置し、本人同意の上で健康状況を人事部にも共有する体制を整えました。これにより、休職しても職場復帰までしっかりサポートができるようになったのです。

このように、メンタル不調者が出た場合、所属部署の上司や人事担当者と共に組織全体での体制作りがカギになります。

 

おわりに

メンタルヘルス対策において重要なことは、中・長期的な視点を持って組織全体で体制作りをすることです。それによって、結果的に企業の生産性向上にもつながるのではないでしょうか。メンタルヘルス対策が形だけのものにならないように、組織のトップが積極的にメンタルヘルス対策に取り組む姿勢が大切といえます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。