令和7年11月19日に所得税法施行令の一部を改正する政令が公布され、通勤のため自動車などの交通用具を使用している給与所得者に支給する通勤手当の非課税限度額が引き上げられました。
引き上げは2014年以来11年ぶりとなります。
引き上げの詳細は後述の通りとなりますが、新たな金額は本年(2025年)の4月に遡って適用となり、2025年の年末調整から適用となります。現在、年末調整を進めている企業も多いことと思いますが、その中での対応が求められます。
ギリギリの対応となることが予想されますが、しっかりと対応を進めるための手順などを共有します。
1. 改正内容の詳細
国税庁の通達はこちら https://www.nta.go.jp/users/gensen/2025tsukin/index.htm
自宅からの距離が片道10キロメートル以上の場合に、1か月あたりの限度額が、200~7100円上がります。

2. 企業がとるべき対応手順
2-1. 国税庁の新限度額表を確認
- 最新の非課税限度額表を必ず確認し、距離区分ごとの金額を正しく把握しましょう。
最新の情報については、国税庁のホームページで確認してください。
2-2. 4月以降の支給額を再計算
- 2025年4月~11月までの通勤手当のうち、改正後の非課税限度額によって新たに非課税となった部分の金額を計算します。
- 上記(改正前・改正後の差額)計算を、給与システムの自動計算機能(システムのバージョンアップが必要となるため、ベンダーへ更新時期や対応有無等の確認が必要)や、Excelなどでシミュレーションします。
2-3. 年末調整で精算
- 「令和7年分給与所得に対する源泉徴収簿」(以下「源泉徴収簿」)の余白に「非課税となる通勤手当」と表示して、
今回の改正により新たに非課税となった部分の金額及び計算根拠を記入します。
• 源泉徴収簿の「年末調整」欄の「給料・手当等①」欄には、「給料・手当等」欄の「総支給金額」の「計①」欄の金額から新たに非課税となった部分の金額を差し引いた後の金額を 記入します。 - 年末調整システムを使用する場合には、システムのバージョンアップが必要となるため、ベンダーへ更新時期や対応有無等の確認が必要となります。
• 該当の対応が発生する従業員には、事前に本件について通知しておくと 問合せ対応がスムーズになります。
引用:国税庁ホームページ:年末調整で精算する際の源泉徴収簿の記載例
2-4. 給与所得の源泉徴収票記入
- 給与所得の源泉徴収票の「支払金額」欄には、非課税とされる部分の通勤手当の金額を除いた金額 を記入します。
• 年の中途に退職した人などに対し、既に給与所得の源泉徴収票を交付している場合には、「支払金額」 欄を訂正するとともに、「摘要」欄に「再交付」と表示した給与所得の源泉徴収票を作成し、再度交付します。
2-5. 従業員への周知
- 社内ポータルやメールで「改正内容」「対応対象か否か」「年末調整での対応」を告知します。
2-6. 給与システムの設定変更
- 来年以降の支給に備え、非課税限度額を更新します。
- システムによっては「改正日付」や「遡及処理」設定が必要なので、システム運用会社に確認しましょう。
3. 実務上の注意点
- 就業規則・給与規程の改定
非課税限度額を基準にしている場合、規程の改定が必要になる可能性があります。 - 距離区分の確認
転居や通勤経路変更があった場合、距離情報が古いと誤った計算になるのでチェックが必要です。 - 社会保険料への影響
給与扱いとなる課税額の減少に伴い、標準報酬月額に影響する可能性があります。 - システム対応のタイムラグ
年末調整が進行中の場合、システム更新が間に合わないケースもあります。その際は暫定対応を検討します。 - 税務調査リスク
還付漏れや誤計算があると、後日指摘される可能性があるため、計算根拠を残しておきます。
まとめ|正しい情報を入手し、迅速に対応を
今回の改正は、企業にとって年末調整の追加対応が必須となります。早めに準備を進め、従業員への周知を徹底しましょう。
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