最終更新日:2026年10月7日

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9月 9, 2025
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【2026年10月最新】人事労務法改正まとめ|社労士が下半期の対応事項を解説

【2026年10月最新】人事労務法改正まとめ|社労士が下半期の対応事項を解説アイキャッチ

2026年は、社会保険や障害者雇用、ハラスメント対策など、人事・労務に関わる制度変更が相次いでいます。

2026年10月1日には、カスタマーハラスメント対策、求職者等へのセクシュアルハラスメント対策、パートタイム・有期雇用労働者に関するルール変更などが施行されました。企業では、制度を理解するだけでなく、整備した方針や相談窓口、社内ルールが実際に機能しているかを確認する段階に入っています。

この記事では、2026年10月時点の主な人事労務関連の法改正について、社労士の視点から、施行済みの制度、運用確認が必要な制度、2027年以降に向けて準備したい制度に分けて解説します。

※本記事は2026年10月1日時点の情報をもとに作成しています。施行日や制度の詳細については、最新の法令や行政機関の公表資料をご確認ください。

社労士執筆・監修

フォスターリンク株式会社

2000年の創業以来、700社以上の人事支援を手がける人事のベストパートナー。社会保険労務士の資格を持つ担当者が、実務知見をもとに本記事を執筆・監修しています。

2026年の人事労務法改正スケジュール

2026年の主な法改正を、「施行済み」「10月施行後の運用確認」「今後の準備」の3つに分けて整理します。自社が優先して確認すべき項目を、以下の一覧からご確認ください。

対応区分 時期 主な改正点 企業が確認すること
施行済み 2026年4月 在職老齢年金制度の見直し 高齢者雇用制度、賃金設計、対象者への説明
施行済み 2026年4月 女性活躍推進法の改正 公表項目、算出基準、情報公表の運用
施行済み 2026年度 子ども・子育て支援金制度 給与計算、保険料控除、従業員への説明
施行済み 2026年7月 障害者法定雇用率2.7%への引き上げ 雇用義務の対象、雇用人数、採用・定着計画
運用確認 2026年10月 カスタマーハラスメント対策の義務化 方針、相談窓口、対応手順、研修の運用状況
運用確認 2026年10月 求職者等へのセクシュアルハラスメント対策の義務化 採用活動上のルール、相談体制、担当者教育
運用確認 2026年10月 パートタイム・有期雇用労働法に関するルール変更 労働条件通知書、待遇差の説明体制、賞与・手当等の基準
運用確認 2026年10月 短時間労働者の社会保険における賃金要件の撤廃 加入対象者、資格取得、給与控除、本人説明
今後の準備 2027年以降 社会保険適用拡大、標準報酬月額上限の引き上げ 対象者、人件費、給与計算への影響

以降では、この3つの区分に沿って、各制度の概要と実務上の確認事項を解説します。施行済みの制度は反映状況、10月施行の制度は運用状況、今後の制度改正は影響範囲を確認する視点でご覧ください。

なお、年末調整では、基礎控除や給与所得控除、扶養親族等の所得要件など、令和8年分から変更される項目があります。必要書類や実務上の確認事項は、2026年(令和8年分)の年末調整で詳しく解説しています。

第1部|すでに施行された法改正

2026年4月・7月に施行された制度を取り上げます。 社内規程、給与計算、人事データ、採用計画などへの反映状況をご確認ください。

年金・女性活躍・子育て支援金

1.在職老齢年金制度の見直し

施行日:2026年4月1日

在職老齢年金の支給停止基準額が引き上げられました。企業では対象者への案内に加え、再雇用制度や高齢社員の賃金設計との整合性を確認する必要があります。給与額だけでなく、社会保険料や年金受給への影響を含めて説明しましょう。

2.女性活躍推進法の改正

施行日:2026年4月1日

常時雇用する労働者が101人以上の企業では、男女間賃金差異と女性管理職比率の公表が義務化されました。集計対象、管理職の定義、算出方法、データ抽出手順、承認責任者を社内で統一し、実際の公表値と人事データが一致しているか確認します。

3.子ども・子育て支援金制度

給与計算部門では、加入する医療保険の支援金率、給与計算システムの設定、初回控除の検算、給与明細の表示、従業員向け説明、企業負担の予算反映を確認します。設定担当、検算担当、問い合わせ対応担当を分けておくと、運用上の漏れを防ぎやすくなります。

障害者法定雇用率

施行日:2026年7月1日

民間企業の障害者法定雇用率は2.7%へ引き上げられ、障害者を1人以上雇用する義務が生じる事業主の範囲も、常時雇用する労働者37.5人以上へ広がりました。現在の雇用人数と不足人数だけでなく、採用可能な職種、勤務時間・場所、職場設備、支援担当者、外部支援機関との連携方法まで確認しましょう。

第2部|2026年10月施行後の運用確認ポイント

制度の施行後は、方針や様式を整備しただけでなく、相談受付、事実確認、説明、記録、社内連携が実際に機能するかを確認する必要があります。

ハラスメント対策の義務化

2026年10月1日、すべての事業主を対象として、カスタマーハラスメントと求職者等へのセクシュアルハラスメントを防止するための措置が義務化されました。

1.カスタマーハラスメント対策

カスタマーハラスメントは、顧客や取引先などによる言動のうち、業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超え、労働者の就業環境を害するものを指します。正当な意見や苦情まで一律にカスタマーハラスメントとして扱うことはできないため、会社として判断基準と対応手順を整備し、運用する必要があります。

施行後に確認すること

  • カスタマーハラスメントを許容しない方針を全従業員へ周知したか
  • 相談窓口と担当者を明確にし、相談方法を案内したか
  • 相談担当者が事実確認、被害者への配慮、再発防止を進められるか
  • 現場から管理監督者、本社、警察・弁護士等へつなぐ基準を定めたか
  • 相談者や関係者のプライバシー保護と不利益取扱いの禁止を周知したか
  • 顧客対応を担当する従業員や管理職への研修を実施したか
  • 発生事案を記録し、判断基準や対応手順の改善へ反映できるか

2.求職者等へのセクシュアルハラスメント対策

採用面接、会社説明会、インターンシップ、教育実習・看護実習など、求職活動等におけるセクシュアルハラスメント対策も義務化されました。採用担当者だけでなく、面接や座談会等に参加する役員、管理職、現場社員にもルールを周知する必要があります。

施行後に確認すること

  • 採用活動における禁止事項と面談ルールを明確にしたか
  • 面談時間、場所、実施体制、使用するSNS等のルールを周知したか
  • 求職者等が利用できる相談窓口を案内しているか
  • 相談後の事実確認、被害者への配慮、行為者への措置、再発防止の手順があるか
  • 面接官、役員、現場担当者への教育を実施したか
  • 採用を委託する会社との責任範囲を確認したか

パートタイム・有期雇用労働者に関するルール変更

2026年10月から、パートタイム・有期雇用労働者の雇い入れ時および契約更新時の明示事項に、「待遇の相違の内容・理由等に関する説明を求めることができる」旨が追加されました。また、同一労働同一賃金ガイドラインや、企業に求められる雇用管理上の措置も見直されています。

施行後に確認すること

  • 労働条件通知書・雇用契約書の改訂版を使用しているか
  • 雇い入れ時だけでなく、契約更新時の様式も変更したか
  • 正社員との待遇差の内容と理由を整理したか
  • 賞与、退職手当、各種手当、福利厚生、休暇等の基準を説明できるか
  • 待遇差の説明を求められた際の窓口と対応手順を決めたか
  • 説明に用いる資料を整備し、担当者間で説明内容を統一したか

短時間労働者の社会保険加入要件の変更

2026年10月1日から、一定の企業で働く短時間労働者に対する社会保険の加入要件のうち、賃金要件が撤廃されました。対象企業では、週の所定労働時間、雇用期間の見込み、学生該当性などの要件を確認し、加入候補者の抽出、資格取得、給与控除、本人説明までをつなげて運用する必要があります。

給与計算の法改正対応と業務負担をまとめて軽減

社会保険の適用拡大や保険料率の変更があるたび、対象者の確認、給与計算システムの更新、従業員への説明が発生します。
給与計算代行でどこまで任せられるのか、「HR-Platform 給与計算代行」の資料をご確認ください。

第3部|今後に向けて準備したい制度改正

2027年以降に施行予定の改正について、対象者、人件費、規程、システムへの影響を早めに把握します。

今後の労基法改正で議論されている論点

2027年以降の人事労務制度については、すでに施行が決まっている制度と、現在も議論が続いている論点があります。

まず、次の制度は法改正が成立しており、施行時期も決まっています。

施行が決まっている主な制度

  • 短時間労働者への社会保険適用拡大(2027年10月以降段階施行)
  • 厚生年金の標準報酬月額上限引き上げ(2027年9月以降)
  • 雇用保険の適用拡大(2028年10月)
  • 50人未満事業場へのストレスチェック義務化(2028年4月)

一方で、労働時間や休日制度などについては、施行時期や最終的な制度内容が決まっていない論点もあります。

現在議論されている主な論点

  • 労働時間規制の見直し
  • 法定休日の特定
  • 連続勤務を抑制する仕組み
  • 勤務間インターバル制度
  • 副業・兼業時の労働時間管理
  • 年次有給休暇取得時の賃金算定方法
  • 労働時間の情報開示

これらの論点は、今後の審議や政権・政策方針によって内容が変わる可能性があります。現時点では制度改正を前提に設定変更を行う必要はありません。

ただし、就業規則、労使協定、勤怠システム、給与計算、現場運用の内容が一致しているかは早めに確認しておきましょう。制度変更があった場合でも、対応を進めやすくなります。

2027年以降の制度改正

1.短時間労働者の社会保険適用拡大

企業規模要件は2027年10月以降、段階的に縮小される予定です。現在の加入対象者だけでなく、将来加入対象となる可能性のある従業員数、企業負担、採用条件、シフトへの影響を確認します。

▶ 関連記事

2026年10月に撤廃された社会保険の賃金要件(いわゆる106万円の壁)について、対象者や給与計算への影響を詳しく解説しています。

2.雇用保険制度の適用拡大

施行日:2028年10月1日

雇用保険の加入要件となる週の所定労働時間が、週20時間以上から週10時間以上へ拡大されます。対象者数、保険料、従業員情報、給与計算システムへの登録方法を確認しておきましょう。

3.標準報酬月額上限の段階的引き上げ

改定時期 標準報酬月額の上限
2027年9月 68万円
2028年9月 71万円
2029年9月 75万円

対象者数と本人・企業負担の増加額を試算し、予算へ反映します。給与計算システムの等級・保険料マスター、適用月、控除月も確認しましょう。

4.ストレスチェック義務の対象拡大

50人未満の事業場に対するストレスチェック義務化は、2028年4月1日の施行が予定されています。小規模事業場では、実施者、外部委託、個人情報管理、面接指導への対応を早めに検討しましょう。

▶ 関連記事

2027年に施行予定の社会保険適用拡大や育成就労制度、厚生年金の標準報酬月額上限引き上げなど、今後の制度改正はこちらで確認できます。


2026年10月以降に人事労務部門が確認したいチェックリスト

施行後の運用確認と今後の準備

□ 2026年4月以降の制度変更を社内規程や運用へ反映した

□ 在職老齢年金の改正について対象者へ案内した

□ 男女間賃金差異と女性管理職比率の算出方法を統一した

□ 子ども・子育て支援金の給与計算設定を検算した

□ 障害者法定雇用率2.7%を基準に雇用状況を確認した

□ カスタマーハラスメント方針を全従業員へ周知した

□ 相談窓口の運用方法を担当者へ共有した

□ 相談受付から事実確認、被害者への配慮、再発防止までの流れを確認した

□ 採用活動のルールと相談窓口を求職者等へ案内できる状態にした

□ 面接官、役員、現場担当者への研修を実施した

□ パート・有期雇用労働者用の労働条件通知書を改訂した

□ 待遇差について説明する資料、窓口、手順を整備した

□ 短時間労働者の社会保険加入対象者を再判定した

□ 就業規則と勤怠・給与システムの設定が一致している

□ 2027年以降の制度改正による対象者数と人件費を試算した

□ 法改正時の担当者、確認者、システム変更責任者を決めた

法改正対応は規程・業務・システムを一体で見直す

人事労務の法改正では、制度の内容を理解するだけでなく、実際の業務へ反映することが重要です。就業規則、労使協定、勤怠・給与システム、申請・承認フロー、従業員への説明を一体で見直しましょう。

  1. 自社が改正の対象になるか確認する
  2. 影響を受ける規程や社内ルールを特定する
  3. 対象となる従業員を抽出する
  4. 勤怠・給与・人事システムへの影響を確認する
  5. 担当者と責任者を決める
  6. 設定変更後のテストと検算を行う
  7. 管理職や従業員へ周知する
  8. 施行後の運用状況を確認する

まとめ|2026年10月は施行後の運用確認と今後の準備を

2026年10月以降に企業が優先して確認したいのは、次の3点です。

第一に、4月から7月に施行された制度が、規程、給与計算、人事データ、採用計画へ正しく反映されているかを確認します。

第二に、2026年10月1日に施行されたカスタマーハラスメント対策、求職者等へのセクシュアルハラスメント対策、パートタイム・有期雇用労働者に関するルール変更について、整備した方針、相談窓口、説明資料、通知書が実際に運用されているかを確認します。

第三に、社会保険適用拡大、標準報酬月額上限の引き上げ、雇用保険の適用拡大など、2027年以降の変更を見据えて対象者数と人件費を把握します。

法改正への対応は、人事担当者だけで完結するものではありません。経営層、現場管理職、経理、情報システム部門、社会保険労務士や外部支援会社などと役割を分担し、継続的に対応できる体制を整えることが重要です。

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参考文献

本記事は、以下の官公庁が公表する資料をもとに作成しています(2026年10月1日時点)。制度の詳細や最新の施行日は、各資料の原文をご確認ください。

  1. 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00017.html
  2. 厚生労働省「女性活躍推進法特集ページ」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091025.html
  3. 厚生労働省「事業主の方へ(障害者雇用)」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/jigyounushi/page10.html
  4. 厚生労働省「令和8年10月1日からハラスメント対策が強化されます!」
    https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001662576.pdf
  5. 厚生労働省 Webマガジン「2026年10月からパートタイム・有期雇用のルールが変わります」
    https://www.mhlw.go.jp/web_magazine/column/20260803.html
  6. 厚生労働省「短時間労働者の社会保険適用拡大」
    https://www.mhlw.go.jp/tekiyoukakudai/
  7. 厚生労働省「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律について」
  8. 厚生労働省「労働基準関係法制研究会 報告書」

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