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違反事例から学ぶ コンプライアンス意識向上の成功ポイント

アイキャッチ_コンプラ意識向上

 

コンプライアンス違反に起因した企業の不祥事は後を絶ちません。コンプライアンス違反は、自社のブランドイメージを低下させるだけではなく、最悪の場合企業が倒産に追い込まれる危険性もある重要な問題です。今回は、過去の違反事例をベースに、社内のコンプライアンスを高めるための取り組みについてご紹介します。

コンプライアンス(法令遵守)の重要性

 

コンプライアンス(compliance)は、「法令遵守」と訳されることが一般的ですが、法令はもちろんのこと企業倫理や社会的規範といった社会的なルール、就業規則や社内規定などの社内ルールの遵守もコンプライアンスに該当します

つまり法令として禁じられていなくても、社会的な観点から問題がある行為はコンプラアンス違反になります。

たった一人のコンプライアンス違反が、会社に致命的な打撃を与える可能性もあります。そのため、コンプライアンスは会社の一部の社員だけではなく、全社員が理解しておく必要があります。リスクマネジメントいう観点からも、全社員を対象としたコンプライアンス教育が不可欠です。

 

コンプライアンス違反事例の紹介

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それでは、過去にどんなコンプライアンスの違反事例があったのか確認してみましょう。

 

自動車メーカーの燃費偽装問題

ある自動車メーカーが、自動車の燃費を実際よりも良く見せるため、燃費の計算に用いられる走行抵抗値を改ざんしていたことが明らかになりました。カタログに記載されていた燃費と実際の燃費との間には、最大で約15%の開きがありました。この自動車メーカーは、カタログの燃費と実際の燃費の差に基づく燃料代、および将来の税金増加分の負担を行っています。

 

食品偽装問題

我々が口にする食品に関しても不祥事が起きています。外国産の安い食材を国産と偽って販売する産地偽装や、商品の賞味期限を改ざんして販売する賞味期限偽装などが代表例です。中小の食品会社だけでなく、誰もが知っているような老舗店舗や大企業でも発生しています。

 

情報漏えい問題

業務委託先の社員が自分のスマートフォンに顧客の個人情報を移して社外に不正に持ち出し、名簿業者に売却するという事件はメディアに大きく取り上げられました。同社は顧客に対するお詫びとして、一人当たり500円分の金券を配布しました。

 

コンプライアンスを成功に導くポイント

自社のブランドイメージを大きく毀損しかねないコンプライアンス違反ですが、目先の売り上げなどの目標達成や個人的利益のため、社員が不正を働いてしまうことがあります。

したがって、コンプライアンス意識を社内に浸透させ、コンプライアンスの徹底に努めることが重要です。コンプライアンス担当部署の設置を含めた社内の体制整備や、行動規範の追加や処分事項など社内規定への反映はもちろん、社員への定期的な研修といった地道な取り組みによって、社内におけるコンプライアンスへの意識を高めていくことができます。

コンプライアンス対策は、リスクマネジメントの1つとしてとらえることが可能です。コンプライアンス上のリスクを分析して重点課題を抽出し、優先度の高いリスクから対応するようにしましょう。なお、対外的な問題だけではなく、未払い残業代やパワハラ・セクハラなどの労務管理といった社内の問題もコンプライアンスに含まれます。

 

信用を失う時は一瞬

今回はコンプライアンスを高めるためのポイントについてご紹介しました。信用を築くためには長い時間がかかりますが、失うときは一瞬です。コンプライアンス違反で信用を失った場合、信用を取り戻すことは容易ではありません。従業員に対するコンプライアンスの重要性の周知や社内規定の改定など、全社一丸でコンプライアンスに取り組みましょう。