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5月 25, 2026
19 min read time

労働保険料率 令和8年度|人事責任者が判断すべきコストインパクトと体制リスクの整理

労働保険料率 令和8年度|人事責任者が判断すべきコストインパクトと体制リスクの整理アイキャッチ

令和8年度(2026年度)の労働保険料率が告示され、雇用保険料率は前年度から0.1ポイント引き下げの1.35%(一般事業)となりました。
「下がってよかった」で終わらせず、自社の法定福利費に実額でどう影響するか、毎年繰り返される料率変更に給与計算体制が安定して対応できるか、そして2028年10月に控える雇用保険適用拡大という中期リスクにどう備えるか——人事責任者として整理すべき論点は複数あります。

本記事では、令和8年度 労働保険料率の改定内容を確認した上で、自社コストへの影響試算フレーム、料率変動の構造的背景、体制チェックリスト、内製と外部委託の判断基準までを整理します。
自社の成長段階に合わせて、人事体制をどのように見直し、整備していくべきかを考える参考としてご活用ください。

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令和8年度労働保険料率の改定内容と、自社コストへの影響

令和8年度(2026年4月1日〜2027年3月31日)の労働保険料率は、雇用保険料率が0.1ポイント引き下げ、労災保険料率は据え置きとなりました。
引き下げは令和7年度に続く2年連続となっています。

業種別 令和8年度 雇用保険料率

厚生労働省が令和8年3月12日に告示した雇用保険料率は以下のとおりです。
新料率は2026年4月1日以降、最初に締日が到来する給与から適用されます。

事業の種類 労働者負担 事業主負担 合計(雇用保険料率) 前年度比
一般の事業 5/1,000(0.50%) 8.5/1,000(0.85%) 13.5/1,000(1.35%) ▲0.10pt
農林水産・清酒製造の事業 6/1,000(0.60%) 9.5/1,000(0.95%) 15.5/1,000(1.55%) ▲0.10pt
建設の事業 6/1,000(0.60%) 10.5/1,000(1.05%) 16.5/1,000(1.65%) ▲0.10pt

出典:厚生労働省「令和8年度 雇用保険料率のご案内」(令和8年3月12日告示)を基に作成

労災保険料率については、業種別に2.5/1,000(金融業・保険業・通信業など)から88/1,000(金属鉱業など)の範囲で、令和7年度と同率が適用されます。
一般拠出金率も全業種一律0.02/1,000で据え置きとなっています。

賃金総額別の財務インパクト試算

「0.1ポイントの引き下げ」という情報を経営判断に使うためには、自社の賃金総額と照らした実額で把握する必要があります。
一般事業における事業主負担分(令和7年度9/1,000→令和8年度8.5/1,000)を従業員規模別に試算すると、以下の通りとなります。

従業員規模(平均年収500万円想定) 年間賃金総額 令和7年度 事業主負担 令和8年度 事業主負担 年間削減額
50名 2.5億円 225万円 212.5万円 ▲12.5万円
100名 5億円 450万円 425万円 ▲25万円
300名 15億円 1,350万円 1,275万円 ▲75万円
500名 25億円 2,250万円 2,125万円 ▲125万円

※あくまで概算試算です。実際の負担額は業種・賃金構成・賞与の有無等により異なります。

従業員300名規模で年間75万円、500名規模で年間125万円——「わずか0.1ポイント」の引き下げであっても、賃金総額が大きい企業では、実額として無視できない影響が生じます。
ただし、その削減効果を確実に反映するには、給与計算システムに新しい料率を正しく設定することが欠かせません。
反映漏れがあると、従業員から保険料を多く徴収してしまうおそれがあります。一方、少なく徴収してしまった場合は、後から差額精算が必要になり、実務負担が増える可能性があります。


令和8年度は複数の保険料率変更が重なる年度であることに注意

雇用保険料率の引き下げ効果を実額で評価する際は、他の保険料率の変更とセットで見る必要があります。
特に令和8年度は、法定福利費全体に影響する変更が複数重なる年度です。

━━━ 令和8年度 法定福利費への影響 ━━━

▼ 引き下げ

雇用保険料率(一般事業)

1.45% 1.35% ▼ 0.10pt

▲ 引き上げ・新規拠出

子ども・子育て支援金 

新設 2.3/1,000 ▲ 新規拠出

労使折半、2026年4月分から徴収開始

介護保険料率(40歳以上対象)

15.9/1,000 16.2/1,000 ▲ 0.03pt

2026年3月分から適用

子ども・子育て支援金は健康保険料に上乗せして徴収される新制度で、健康保険組合や協会けんぽ経由で納付します。
雇用保険料率の引き下げと相殺される側面があるため、「保険料負担が下がった」と単純化せず、法定福利費全体で評価することが重要です。

令和8年度労働保険料率引き下げの構造的背景と「いつ上がるか」の見通し

今回の引き下げは表層的には「雇用保険財政が安定したため」ですが、その内訳まで踏み込んで把握しておくことが、今後の料率変動リスクを読む上で重要です。

引き下げられたのは「失業等給付分」のみ、育休給付分は据え置き

雇用保険料率は、用途別に3つの区分で構成されています。今回引き下げられたのは「失業等給付費等充当徴収保険率」のみで、残り2区分は据え置きとなっています。

内訳区分 用途 令和7年度 令和8年度 負担
失業等給付費等充当徴収保険率 失業手当・求職者支援等の財源 0.70% 0.60%(▲0.10pt) 労使折半
育児休業給付費充当徴収保険率 育児休業給付の財源 0.40% 0.40%(据え置き) 労使折半
雇用保険二事業費充当徴収保険率 雇用調整助成金等の財源 0.35% 0.35%(据え置き) 事業主のみ

出典:厚生労働省「第208回 労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会 資料」を基に作成

引き下げの背景には、コロナ禍の雇用調整助成金特例措置で一時期深刻だった雇用保険財政が、その後の経済正常化と段階的な料率引き上げ、国庫負担の適正化によって改善傾向にあることがあります。
令和6年度決算で財政の安定が確認されたことが、今回の引き下げ決定の根拠です。

今後の引き上げリスクは「育休給付分」に集中している

責任者として把握しておきたいのは、育児休業給付費が据え置かれた背景です。
男性育休取得率は政府目標(令和7年度50%、令和12年度85%)に向けて上昇傾向にあり、育児休業給付の支出は継続的に増加しています。さらに2025年4月施行の改正雇用保険法では「出生後休業支援給付金」「育児時短就業給付金」が新設され、給付対象が拡大しました。

失業等給付分は雇用情勢が安定している間は引き下げ余地がありますが、育休給付分は構造的な支出増要因を抱えており、今後数年内に引き上げに転じる可能性が指摘されています。「今年下がったから来年も下がる」という見通しは成り立たないという前提で、複数年度の人件費計画を立てる必要があります。

雇用保険料率は、雇用保険法に基づく弾力条項により、毎年度の財政状況に応じて変更されます。
新料率の告示は年度開始の2〜3ヶ月前という短いリードタイムで行われるため、毎年同じタイミングで給与計算システムへの反映と従業員への周知が必要になります。

 

労働保険料率の次の変動要因——2028年 雇用保険適用拡大の経営インパクト

令和8年度の料率改定よりも経営インパクトが大きい可能性があるものとして、2028年10月1日に施行される雇用保険の適用拡大があげられます。
2024年5月10日に成立した改正雇用保険法により、加入要件が「週20時間以上」から「週10時間以上」に引き下げられます。

新たに約500万人が雇用保険の対象に

厚生労働省の資料によれば、この適用拡大により新たに約500万人が雇用保険の対象になる見込みです。
影響が大きいのは、週10〜20時間のパート・アルバイトを多く雇用している企業——小売業、飲食業、宿泊業、介護事業、教育機関などです。

項目 現行(2028年9月まで) 改正後(2028年10月以降)
所定労働時間要件 週20時間以上 週10時間以上
雇用見込み要件 31日以上 31日以上(変更なし)

出典:厚生労働省「雇用保険等の一部を改正する法律の概要」(令和6年5月10日成立)を基に作成

追加発生する事業主負担と手続き工数の試算

適用拡大により発生する負担は、保険料の追加負担だけではありません。
新たに対象となる従業員一人ひとりに「雇用保険被保険者資格取得届」の提出が必要になり、月次の給与計算でも雇用保険料の控除処理が追加されます。
新規対象者数別に、規模感を可視化しました。

2028年10月施行後に追加発生する事業主負担(年間)

年間平均賃金60万円/人・事業主負担率8.5/1,000で試算

新規対象者 10名の企業 約5.1万円/年 + 手続き10件
 
新規対象者 30名の企業 約15.3万円/年 + 手続き30件
 
新規対象者 50名の企業 約25.5万円/年 + 手続き50件
 
新規対象者 100名の企業 約51.0万円/年 + 手続き100件
 

※事業主負担率は現行の8.5/1,000を仮置き。2028年時点の実際の料率は未確定です。

保険料の追加負担額自体は1人あたり年5,000円程度で大きく見えないかもしれませんが、注視すべきは手続き件数の急増です。
週10〜20時間のパート・アルバイトが30名以上いる企業では、施行月に向けて資格取得手続きが集中し、給与・労務担当者の業務負荷に直接影響します。さらに離職時の喪失届、毎月の給与計算での控除処理も恒常的に増加します。

2026年中に始めるべき準備事項

施行まで約2年4ヶ月(2026年5月時点)ありますが、人事責任者として今のうちに着手すべき準備があります。
 来年以降の課題として先送りするのではなく、早い段階で影響範囲を把握しておくことが重要です。 

2028年10月施行に向けた準備ロードマップ

STEP 1 / 2026年中(今すぐ着手)

現状把握

週10〜20時間勤務者の人数把握、雇用契約書の確認、給与計算システムの対応可否確認を行います。

STEP 2 / 2027年

制度・体制の整備

就業規則・労働条件通知書の見直し、対象従業員への事前説明準備、給与計算体制の負荷試算を進めます。

STEP 3 / 2028年上半期

最終調整

システム最終調整、対象従業員リストの確定、手続きフロー整備を完了させます。

2028年10月 ★ 施行

適用拡大 施行

資格取得届の集中対応と、月次給与計算への新規被保険者反映を行います。


労働保険料率変更への対応——管理者として確認すべき体制チェックリスト

料率改定は毎年発生します。今年だけでなく「来年も再来年も確実に対応できる体制か」という視点で、自社の状況を点検してください。

Step1 : 令和8年度の料率変更対応の確認

まず、今年度の料率変更が確実に給与計算に反映されているかを確認します。以下は管理者として最低限チェックすべき項目です。

令和8年度 料率変更対応 確認チェックリスト

□ 4月以降の給与で雇用保険料率が1.35%(一般事業)に変更されているか
□ 子ども・子育て支援金(2.3/1,000)の控除が4月分(5月納付分)から反映されているか
□ 介護保険料率(16.2/1,000)の変更が3月分(4月納付分)から反映されているか
□ 料率変更について従業員(給与明細への注記等)への周知が完了しているか
□ 過徴収・過少徴収が発生していないか(締日が月中の場合は適用タイミングに特に注意)
□ 年度更新(6月1日〜7月10日)で確定保険料・概算保険料に正しい料率を適用する体制があるか


Step2 : 体制の脆弱性を自己診断する

以下は「今年は乗り切れても、来年以降にリスクが顕在化しやすい体制の特徴」です。
リスクレベル別に整理しました。3つ以上該当する場合は体制の見直しを検討する時機です。

高リスク 業務停止リスクが顕在化しやすい体制
  • 給与計算・労働保険手続きの担当者が実質1名または兼務で対応している
  • 担当者が入社・転職から3年未満で、年度更新を独力で完結した経験が少ない
  • 料率変更やシステム設定変更の手順書・マニュアルが整備されていない(属人化)
中リスク ミスや遅延が発生しやすい体制
  • 過去に年度更新や料率変更で誤りが発生し、修正申告・過不足精算の経験がある
  • 給与計算システムの設定変更を担当者以外が確認・承認するフローがない
  • 年度更新と算定基礎届(7月1〜10日)が重なる6〜7月に、他の重要業務(採用・評価)も集中している
  • 2028年の雇用保険適用拡大で対象となり得る週10〜20時間のパート・アルバイトの人数を把握していない

「高リスク」が複数該当する企業では、担当者の退職・休職が発生した瞬間に給与計算業務そのものが停止するリスクを抱えています。
給与計算は毎月必ず発生する業務だからこそ、特定の担当者の経験や判断に依存しすぎない体制づくりが重要です。

労働保険料率の変更対応を通年で安定させる——内製と外部委託の判断基準

今年の料率変更を乗り切れた場合でも、来年以降の法改正や料率変更に安定して対応できる体制があるかは、あらためて確認しておく必要があります。
ここでは、内製継続と外部委託(給与計算代行)を、コストとリスクの両面で比較するフレームを整理します。

Point1 : 投下コストの可視化

内製コストの評価は、目に見えやすい人件費だけで判断すると実態を見誤ります。
給与計算業務に投下されるコストには、月次の人件費という「見えやすいコスト」と、ミス対応や担当者退職時に発生する「見えにくいコスト」の2層があります。後者を含めて評価することが、内製と外部委託を公平に比較するための前提です。

まず見えやすいコストとして、月次給与計算と年次業務(年度更新・算定基礎届・年末調整)があります。
内製の場合は担当者人件費(月単価×工数)が継続的に発生し、特に年次業務が集中する6〜12月は工数が大きく増加します。
外部委託の場合、月次給与計算は1名あたり月額500〜1,500円程度が一般的な相場で、年次業務は委託先によって基本料金内に含まれるケースとオプション扱いになるケースに分かれます。
見積もり比較時には「年間総額」で確認することが重要です。

さらに法改正対応工数も毎年発生するコストです。
内製の場合は担当者が法令を読み込み、給与計算システムの設定を変更し、結果を確認するという一連の作業を毎年繰り返します。外部委託の場合はこれらの作業を委託先が担い、自社に残るのは変更内容の確認コストのみとなります。
本記事で見てきたとおり、料率改定は毎年告示される性質のものですから、この差は単年ではなく複数年で累積する形で効いてきます。

そして、内製のコスト評価で特に見落とされがちなのが見えにくいコストです。
ミスが発生した場合の修正申告・過不足精算・従業員へのクレーム対応は、定常的な人件費とは別に突発的に発生します。さらに重大なのは担当者の退職リスクで、属人化した業務を担当者が引き継ぎなく離脱した場合、採用・育成コストが急発生するだけでなく、空白期間の業務停止リスクも抱えます。
外部委託の場合、これらは委託先の責任範囲で対応されるため、自社にとっては安定運用のコストとして織り込まれた状態になります。

表層的な月次コストの比較で内製が「安い」と判断される場合も、機会コスト・リスクコストを加算するとアウトソーシングの方が合理的なケースが少なくありません。月次コスト比較ではなく、通年・複数年のトータルコスト比較で評価することが、責任者として必要な判断軸です。

 

Point2 : 委託を検討すべき組織のサイン

自社が外部委託を検討すべき状況にあるかを判断する目安です。該当数が多いほど、委託検討の優先度が高まります。

自社に当てはまる項目をチェックしてください

給与担当者が1名・兼務。退職・休職時のバックアップが存在しない

→ 委託を強く推奨(業務停止リスクが極めて高い)

法改正対応が後手に回り、修正申告の経験が複数回ある

→ 委託を推奨(専門性補完が必要な状態)

6〜7月の年度更新期間に採用・評価など他の人事業務も集中する

→ 委託を推奨(コア業務との並行稼働が恒常化)

2028年の適用拡大で対象者が30名以上増加する見込みがある

→ 今から体制検討を開始すべき

担当者が給与計算業務を属人的に担い、計算根拠が不透明

→ 委託で透明化・標準化を図ることを推奨

担当者が複数名・マニュアル整備済み・法改正対応フローが確立している

→ 内製継続で問題なし(ただし2028年対応は要確認)


Point3 : 意思決定タイムライン

給与計算代行の導入には、準備からサービス開始まで一般的に4〜6ヶ月を要します。
既存データの確認、システム設定、テスト並行稼働が必要なためです。2028年10月の適用拡大に備えた体制整備を考えると、遅くとも2027年前半までに検討・選定を開始することが現実的なラインです。

外部委託を選択する場合の意思決定タイムライン

2026年中

情報収集フェーズ

自社の体制チェックリストを実施。委託候補の情報収集と費用見積もり依頼を行います。

2026年末〜2027年前半

選定・導入フェーズ

委託先の選定・契約を行い、システム設定・データ移行・テスト並行稼働に入ります。

2027年中

本格稼働フェーズ

本格稼働を開始し、年度更新・算定基礎届を委託体制で初回経験します。

2028年10月 ★ 施行

適用拡大 施行

安定した委託体制で新規被保険者の手続きを処理。施行月の業務集中を吸収できる体制が整っています。

2028年10月の施行に間に合わせるためには、遅くとも2027年前半までの検討開始が現実的なラインです。

給与計算アウトソーシングの委託範囲・費用相場・委託先選定のチェックポイントなど、 内製と外部委託の判断に必要な実務情報については、 「給与計算アウトソーシングの完全ガイド| 2026年法改正対応・費用相場・選び方を人事のプロが解説」 で網羅的に整理しています。本記事と併せてご活用ください。

フォスターリンクの給与計算代行という選択肢

労働保険料率の変更に安定して対応するには、料率変更のたびに個別対応するのではなく、通年で正確に運用できる体制を整えることが重要です。その手段の一つとして、給与計算業務の外部委託も有効な選択肢になります。

フォスターリンクは2000年の創業以来、700社以上の人事DX支援実績を積み上げてきました。給与計算代行サービスは2007年から提供しており、自社開発のクラウドシステム「HR-Platform」と運用代行を一気通貫で組み合わせる「BPaaS型」のサービス形態となっています。長年提携している社労士事務所のチーム参加により、給与計算と社会保険手続き(取得・喪失届、労働保険年度更新、月変算定、賞与届)を一連の流れとして処理できます。

項目 フォスターリンクの特徴
サービス提供形態 BPaaS型(自社開発クラウドシステム「HR-Platform」+運用代行)
対応業務範囲 給与計算・賞与計算・年末調整・住民税処理・退職者対応・給与支払報告書/法定調書作成
社労士連携 長年提携の社労士事務所と連携、顧問契約の紹介も可能
セキュリティ プライバシーマーク(JIS Q 15001)・ISMS(ISO/IEC 27001)取得
サポート体制 標準6ヶ月(短縮相談可)

毎年の料率改定への対応、年度更新と算定基礎届が重なる6〜7月の業務集中、そして2028年に控える雇用保険適用拡大——これらを「担当者個人の頑張り」に依存する体制から「組織として安定運用できる体制」へ移行する選択肢の一つとして、給与計算代行を位置づけていただければと考えています。

自社の体制・規模・コスト感に合わせた具体的な委託範囲と費用感は、個別にすり合わせることではじめて見えてきます。
サービスの全体像をまとめた資料を無料でご用意していますので、社内検討の素材としてご活用ください。

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令和8年度労働保険料率に関するよくある質問

Q1. 令和8年度の雇用保険料率はいつから適用されますか?

2026年4月1日以降、最初に締日が到来する給与から新料率(一般事業1.35%)が適用されます。
例えば月末締・翌月20日支払いの場合は、4月30日締・5月20日支給分から新料率となります。給与計算システムのマスタ更新と従業員への周知(給与明細への注記等)をセットで対応することが実務的です。

Q2. 令和8年度の年度更新ではどの料率を使えばよいですか?

確定保険料(令和7年度の精算)には令和7年度の料率(1.45%)、概算保険料(令和8年度の前払い)には令和8年度の料率(1.35%)を使用します。確定と概算で異なる料率を使う点が今年の年度更新の留意事項です。
労災保険料率は据え置きのため、確定・概算とも同じ料率を使用します。

Q3. 子ども・子育て支援金は労働保険料に含まれますか?

含まれません。子ども・子育て支援金は健康保険料に上乗せして徴収される新制度(2026年4月開始)であり、労働保険(雇用保険+労災保険)とは別の枠組みです。
ただし法定福利費全体への影響としては、雇用保険料率の引き下げと相殺される側面があるため、コスト管理上はセットで把握することを推奨します。

Q4. 2028年の雇用保険適用拡大に向けて、今から何を準備すべきですか?

まずは週10〜20時間勤務のパート・アルバイトの人数把握、雇用契約書の確認、給与計算システムの対応可否確認から始めることを推奨します。対象者が30名以上見込まれる企業では、施行月の手続き集中に備えて給与計算体制の負荷試算を行い、内製継続か外部委託かを2027年前半までに判断する流れが現実的です。

Q5. 給与計算代行を導入すると、料率変更対応はどうなりますか?

料率変更に伴うシステム設定変更、計算ロジックの修正、年度更新時の料率切り替え対応などを基本的に委託先が担います。
自社に残る作業は、変更内容の確認と従業員への周知が中心となり、毎年繰り返される対応コストを大幅に圧縮できます。委託先選定時には、法改正対応の範囲が基本料金に含まれるか、追加費用が発生するかを確認しておくことが重要です。

Q6. 料率変更による過徴収・過少徴収が発覚した場合の対応は?

速やかに従業員に通知し、次回給与で差額を精算するのが一般的です。過徴収であれば返金、過少徴収であれば追加徴収となります。修正範囲が大きい場合は税理士・社労士への相談を推奨します。発覚を防ぐためには、4月以降の最初の給与計算後に料率反映状況を必ず確認する運用が有効です。

出典・参考資料

※本記事の情報は2026年5月時点のものです。法改正の最新動向については、厚生労働省・国税庁等の公式情報をご確認ください。

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