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8月 7, 2026
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人事システムの見直しは、「乗り換え前提」にしないほうがいい理由

人事システムの見直しは、「乗り換え前提」にしないほうがいい理由アイキャッチ

弊社の「勤怠まるごと診断」をご利用いただく中で、勤怠だけでなく、周辺の人事システムもまとめて見直したいというご相談が増えています。
今回は、複数システムの役割や連携、費用まで整理した個別支援の一例をご紹介します。

※本記事は、複数のご支援内容をもとに、企業名・製品名・費用・固有の課題を特定できない形に再構成した事例です。

フォスターリンク株式会社

2000年の創業以来、700社以上の人事支援を手がける人事のベストパートナー。社会保険労務士の資格を持つ担当者が在籍し、勤怠管理・KING OF TIME運用支援の実務知見をもとに本記事を監修・執筆しています。


ご相談の背景


複数の人事関連システムを利用する中で、システム間の連携や日々の運用に手作業が残り、業務全体を見直したいというご相談をいただきました。

一方で、一部のシステムを変更すると、給与計算をはじめとする周辺業務へ影響する可能性があります。そのため、個別の機能だけを比較しても、最適な判断ができない状況でした。

そこで、すぐに特定の製品を選ぶのではなく、現在のシステム構成と業務上の課題を整理し、複数の改善方法を比較することから始めました。


なぜ、製品を売る前に「整理」から始めるのか


勤怠システムのベンダーに相談すれば勤怠システムの乗り換えを、給与システムのベンダーに相談すれば給与システムの乗り換えを勧められる——多くの場合、相談先が「その会社の製品」を前提に話を進めてしまうのは自然なことです。

その点、フォスターリンクは、勤怠管理(KING OF TIME)の導入・設定代行だけでなく、給与計算代行、人事評価、360度評価・組織サーベイ、研修など、人事領域を横断して支援してきました。特定の1製品を売ることが目的ではないため、今のシステムを変えないという選択肢も含めて、フラットに比較できる立場にあります。

今回のご支援でも、最初から乗り換えを前提にはしていません。まず現状を整理し、複数の選択肢を並べたうえで判断していただく——そのスタンスが、次にご紹介する6つのプロセスに表れています。


ご支援内容|現状把握から比較案の策定まで、6つのプロセス

※記載の図・表は、実際の成果物をもとに、企業名・製品名・金額・固有の課題を変更して再構成したイメージです。


① 関係者へのインタビュー

人事担当者様から、各システムの利用目的、日常業務、困っていること、変更できない事情を確認しました。その上で、表面化している不具合だけでなく、Excel加工や手入力など、通常業務に埋もれた負担も洗い出しました。

ヒアリングを進めると、「有給休暇の自動計算が制度と合っておらず、一部の対象者について毎月Excelで手集計している」「評価入力が○×形式しかなく、詳細な評価ができない」といった、担当者にとっては諦めていた課題が次々に出てきました。
こうした声は、システムの不具合として扱われないまま、現場の工夫でしのがれていることが少なくありません。

② システムの役割と連携を可視化

勤怠管理をはじめとする関連システムについて、どのシステムが人事情報の起点になり、どこへデータを渡しているかを整理しました。自動連携・CSV連携・手入力を区別し、どこに手作業の負担が集中しているかを可視化しています。

整理してみると、システムごとに「変更した場合の影響範囲」が大きく異なることが分かりました。
勤怠・労務系のシステムは、採用管理からシフト、給与計算まで多くのシステムの人事マスターとして機能しており、これを変更すると影響が広範囲に及びます。

一方で、電子契約サービスのように他システムと一切データ連携をしておらず、単独で入れ替えても影響がほぼ生じないものもありました。どこから改善すべきかを考えるうえで、この影響範囲の違いは欠かせない判断材料になります。

fig_system_linkage_v3


③ 課題をシステムごとに整理

機能不足、手作業、属人化、データ不一致、情報リスク、将来の制度変更への対応など、課題をシステム別に一覧化しました。お客様がなんとなく困っているという状態を、検討可能な具体的課題へ分解しました。

こうして分解した課題は、多くの場合、次の3つの性質のいずれかに整理できます。
①法制度の変更や運用の変化にシステムが対応しきれず、手作業で補っている「機能不足型」、②特定の担当者しか設定や運用方法を把握していない「属人化型」、③個人情報の取り扱いにおいてシステム側の管理が不十分な「リスク型」です。

今回のケースでは、このうち「機能不足型」と「リスク型」の2つに分類できました。属人化についても課題として挙がってはいましたが、単独の論点というより、リスク型の背景にある要因として位置づけられるものでした。

一方で、課題として挙がっていても、実務に支障が出ていないものもあります。今回は給与計算がこれにあたり、運用が定着していることから現行維持が妥当と判断しました。

同じシステムを見直したいというご相談でも、課題の性質が違えば優先すべき対応は変わってきます。

fig_issue_matrix_v3


④ 改善優先度マトリクスを作成

課題の大きさと対応難易度を評価し、「最優先」「優先」「低」に分類しました。
すべてを一度に変えるのではなく、先に検討すべき領域と、現行維持が妥当な領域を明確にしました。

今回「最優先」と判定されたのは、日々の実務に支障が出ているシステムと、情報の取り扱いにリスクがあるシステムでした。
一方で、給与計算のように長年運用され、業務マニュアルも整っていて大きな不満が出ていないシステムは、対象外(現行維持が妥当)と判定しています。
お客様が困っていることではなく、実際の支障の有無で線引きすることが、優先順位を見誤らないポイントと考えています。

fig_priority_matrix_v4


⑤ 複数の改善シナリオを設計

次に、現行維持を含む複数の選択肢を作成しました。
特定製品への乗り換えを前提にせず、現状維持も比較対象に含めて設計しています。

比較の過程で意外な発見もありました。「複数のシステムを1つのプラットフォームに一元化すれば、当然コストは下がるはず」という前提で試算を進めたところ、実際には既存システムをすぐには廃止できず一定期間併用する必要があり、結果として費用が削減どころか純増になるケースが見つかったのです。

一元化のメリットは運用の手間や属人化の解消にありますが、費用面では必ずしも直感通りにいかないことを、数字で確認できたのは大きな収穫でした。

⑥ 機能・費用・移行影響を比較

最後に、各案について、課題の解決度、概算費用、削減余地、移行時の注意点、周辺システムへの影響を比較しました。
導入後に別の手作業が増えないかという点を含めて確認しています。

課題の解決度は「完全に解決」「概ね解決」「部分的に対応」「対応困難」の4段階で評価し、良い面だけでなく限界も正直に記載しました。例えば研修管理システムの代替案は、機能面での改善は見込めるものの部分的な対応にとどまると評価しており、まずは現行ベンダーへの機能改善要望を優先すべき、という結論に至った領域もあります。

すべてを単純にシステムの入れ替えで解決しないことが、実行可能な計画につながると考えています。

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システムを選ぶ前に、お客様が判断できる状態をつくる

今回のご支援で明確になったのは、単純な製品価格の差ではなく、現在のシステムが担っている役割と、変更した場合の影響範囲でした。

何を残し、どこから改善し、どの手作業を解消するのか。複数の選択肢を同じ基準で比較することで、社内で次の検討へ進むための判断材料を整えました。

実際にお客様がシステムを選定された後も、弊社では設定代行から運用定着、稼働後のご相談まで、必要に応じて継続してご支援しています。


このようなお悩みはありませんか?

・人事システムが増え、全体像を把握できていない
・CSV連携、転記、二重入力などの手作業が多い
・システムを変更した場合の影響範囲が分からない
・現行システムを維持すべきか、乗り換えるべきか判断できない
・製品単体ではなく、費用と運用負担をまとめて比較したい

フォスターリンクでは、勤怠管理の導入・設定・運用支援で培った知見をもとに、勤怠を起点とした周辺システムの整理についても、内容に応じて個別にご相談を承っています。
サービス導入が決まっていない段階でもご相談いただけます。まずは、今の運用と課題を一緒に整理しませんか?

勤怠管理の現状を、レポートで可視化します

「勤怠まるごと診断」では、現在の設定や運用状況を項目ごとに確認し、見直しが必要な箇所をレポートにまとめます。

診断結果のイメージは、勤怠まるごと診断のレポート見本でご確認いただけます。

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