キングオブタイムの有給設定を確認していると、画面上の設定は入っていても、実際の付与ルールと合っていないケースがあります。特に確認したいのが、雇用区分、基準日、比例付与、出勤率などの組み合わせです。就業規則や雇用条件と設定内容がずれていると、付与対象者が表示されない、付与日数が想定と合わないといったことが起こります。
この記事では、基本的な設定場所と手順に加えて、実際に設定を確認するときに見ておきたいポイントや、結果が合わない場合の切り分け方を整理します。自社の付与ルールをキングオブタイムへどう反映するか確認する際にご活用ください。
フォスターリンク株式会社|勤怠管理・導入支援コンサルタント
キングオブタイムをはじめとする勤怠管理システムの導入・設定・運用支援を担当。実際の支援現場で見てきた設定・運用上の課題をもとに、本記事を執筆しています。
キングオブタイムの有給設定はどこから行う?
有給休暇付与機能は、管理画面の[設定]>[その他]>[オプション]>[スケジュール設定]カテゴリで「使用する」にします。
雇用区分ごとの設定は、[設定]>[従業員]>[雇用区分設定]>対象区分の[編集]>[休暇関連]カテゴリ>[有休付与]>[有休付与関連設定]から行います。
主に確認するのは、次の5項目です。
| 主な設定項目 | 決める内容 |
|---|---|
| 週の契約労働日数 | 契約日数または年間勤務日数のどちらで付与日数を判定するか |
| 第1基準日 | 初回付与の時期と分割付与の有無 |
| 第2基準日 | 2回目以降の付与日と一斉付与日の扱い |
| 比例付与日数 | 勤務条件と勤続年数に応じた付与日数 |
| 勤務日・全労働日と出勤率 | 出勤率の算定に含める勤務や休暇・休業 |
設定画面だけを見て判断するのではなく、先に自社の付与ルールを整理してから、これらの項目へ対応させることが重要です。
キングオブタイムの有給設定を始める前に整理すること
設定前に、就業規則、雇用契約書、実際の付与方法を照合します。
労働基準法第39条では、原則として雇入れから6か月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者へ10労働日の年次有給休暇を与えると定めています。
比例付与の対象となるのは、週の所定労働時間が30時間未満で、かつ、週の所定労働日数が4日以下の労働者、または週以外の期間で所定労働日数が定められ、年間所定労働日数が48~216日の労働者です。
会社が法定を上回る日数を与える場合や、法定より早く付与する場合は、法定基準と会社独自のルールを分けて整理します。
雇用区分ごとに勤務条件と付与ルールを整理する
キングオブタイムの有給休暇付与機能は、基本的に雇用区分ごとに設定します。
正社員、契約社員、パートといった区分名だけで判断せず、週の契約労働日数、日の契約労働時間、年間所定労働日数、初回付与日、2回目以降の基準日が同じかを確認します。
同じ「パート」でも勤務条件が異なれば、同じ有給設定を適用できるとは限りません。設定前に、どの従業員へ同じ付与ルールを適用するのかを整理しておきます。
一斉付与や導入初年度の例外を洗い出す
全社で4月1日に付与する一斉付与や、入社時と6か月後に分ける分割付与は、通常の入社日基準とは設定方法が異なります。
途中入社、試用期間後の付与、雇用区分変更、転籍、導入時の既存残数など、通常の付与ルールから外れるケースも先に洗い出します。
弊社のキングオブタイム導入支援の場面でも、実際に就業規則、実際の付与方法、既存設定が一致していないケースも見かけます。初期値や現在の設定をそのまま前提とせず、どの社内ルールを設定根拠とするかを明確にしてから作業を進めることが重要です。
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付与後の年5日取得義務について、対象者や期限、取得状況の管理を確認したい方は、こちらの記事をご確認ください。
キングオブタイムの有給設定を行う順番
基本設定では、対象者を分け、付与日と日数を設定し、出勤率の算定条件と従業員情報をつなげていきます。
Step1:有給休暇付与機能と操作権限を確認する
[設定]>[その他]>[オプション]で、有給休暇付与機能を「使用する」にします。変更にはオプションの閲覧・編集権限が必要です。
あわせて、誰が設定を変更し、誰が算出結果を確認して付与処理を行うかを決めます。
検索時には「有給の自動付与」と表現されることがありますが、キングオブタイムでは付与日と付与日数を算出した後、管理者が内容を確認して付与処理を行います。
Step2:雇用区分ごとに付与日数の算出方法を設定する
[雇用区分設定]の[有休付与関連設定]で、「週の契約労働日数」と比例付与日数を設定します。
契約日数を指定する方法と、年間の勤務日数から判定する方法があるため、就業規則や雇用契約に沿って、自社がどの条件で付与日数を判定するかを確認します。
法定を上回る日数を付与している場合は、会社のルールに沿って比例付与日数表を設定します。
Step3:第1・第2基準日を設定する
同じ[有休付与関連設定]で、第1基準日には初回付与の時期を、第2基準日には2回目以降の付与日を設定します。
入社6か月後に初回付与するのか、一部を前倒しするのか、2回目以降を4月1日などの一斉付与日にそろえるのかを、就業規則と実際の運用に沿って確認します。
Step4:勤務日・全労働日と出勤率の算出対象を設定する
同じ[有休付与関連設定]で、「勤務日」と「全労働日」の算出対象を設定します。
出勤率は「勤務日数÷全労働日数×100」で算出されます。自社で使用している休暇・休業区分をどのように扱うか、就業規則と法令に沿って確認します。
Step5:従業員の入社日と個別設定を確認する
[設定]>[従業員]>[従業員設定]>対象者の[編集]>[雇用情報]カテゴリで、入社日を確認します。
従業員別有休付与設定を利用している場合は、個別設定が雇用区分設定より優先されるため、雇用区分側の設定だけで判断しないようにします。
再雇用者の入社日や勤続年数は、社内規程だけでなく、実質的に労働関係が継続しているかを確認したうえで登録します。定年後に引き続き嘱託として再雇用する場合などは、年次有給休暇の勤続年数を通算する必要があることがあります。
導入初年度・途中入社・既存残数を設定する際の注意点
キングオブタイムの有給休暇付与機能は、必要な事前設定をすべて完了した当日以降に発生する有休に対して機能します。過去の日付にさかのぼって、付与対象者や付与日数を自動算出することはできません。
導入前に付与した有給や導入時点の残数は、過去へさかのぼって自動計算されないため、手動入力またはインポートで登録します。
導入初年度は、移行する残数と、次回以降にキングオブタイムで算出する付与を分けて一覧にしておくと確認しやすくなります。出勤率の算定に必要な過去の勤務実績がそろっているかも確認します。
途中入社・雇用区分変更・転籍を同じ扱いにしない
途中入社者を一斉付与日へ合流させる場合は、初回付与日・日数と次回基準日を確認します。
キングオブタイム上で雇用区分を変更した場合、付与済みの残数だけでなく、異動先の有休付与設定や次回付与日の表示も確認します。異動先の雇用区分に必要な設定がない場合、通常とは異なる表示や処理が必要になることがあります。
一方、転籍や再雇用で勤続年数を通算するかは、雇用関係や社内規程によって判断が変わります。システム上の雇用区分変更と同じ扱いにはせず、労務上の取り扱いを先に確認します。
手動処理を行う場合は、対象者、理由、付与日、日数、確認者と、自動算出へ戻す時期を記録しておきます。
有給付与日を迎えたときの確認と処理
付与日になると、管理画面の「対応が必要な処理」に有休付与対象者が表示されます。
付与前に、入社日または前回付与日、付与方法、勤務日数、全労働日数、出勤率、付与日数を確認し、就業規則や社内の管理表と照合します。
内容が正しければ「付与」を、対象年度の付与が不要であれば「棄却」を選択し、[有休付与]をクリックします。その後、確認画面の内容を確認して[適用]をクリックすると処理が完了します。
根拠を確認できない対象者はそのまま処理せず、設定と勤務実績を確認してから判断します。
キングオブタイムの有給設定で確認したい4つの設定ズレ
基本設定を終えても、付与対象者や付与日数が想定と合わない場合があります。そのときは、表示された結果だけを個別修正するのではなく、どの設定条件で算出されたかを確認します。
1. 付与対象者が表示されない・付与日数が0日になる
対象者が表示されない場合は、入社日、有給休暇付与機能、雇用区分の有休付与関連設定、従業員別設定、退職日などを確認します。
たとえば、入社日が登録されていなければ基準日を算出できず、有休付与対象者として表示されません。従業員別設定を利用している場合は、雇用区分側とは異なる設定が適用されていないかも確認します。
対象者として表示されても、勤務実績が判定条件を満たしていなければ、付与日数が0日になる場合があります。
契約日数で判定する設定では出勤率が8割未満の場合、年間勤務日数で判定する設定では勤務日数が日数表の下限を下回る場合などが該当します。
また、入社日と第2基準日が同日で、第2基準日を第1基準日より優先する設定では、その時点に勤務実績がないため0日と算出される場合があります。
0日という結果だけを手動修正する前に、入社日、基準日の設定、勤務実績がどのように組み合わさっているかを確認します。
2. パート・時短社員の比例付与日数が想定と違う
週3日・週4日のパートだから比例付与、と勤務日数だけで判断すると、想定と異なる付与日数になる場合があります。
週の所定労働時間が30時間以上の場合は、週5日以上の労働者と同じ付与日数が適用されます。
キングオブタイムで契約日数を指定する方法では、「週の契約労働日数」と「日の契約労働時間」をもとに週30時間以上かを判定します。
同じ「パート」という名称でも、週3日・1日8時間と週3日・1日5時間では条件が異なります。雇用区分を一つにまとめている場合は、異なる勤務条件へ同じ設定を適用していないかを確認します。
また、従業員別設定がある場合は、雇用区分設定だけでなく個別設定も確認します。
3. 一斉付与・前倒し付与で次回付与日がずれる
第1基準日は初回付与、第2基準日は2回目以降の付与を設定する項目です。
ただし、第2基準日の優先設定や、入社時付与、前倒し付与、分割付与などを組み合わせる場合は、二つの基準日を別々に見るだけでは設定結果を判断できません。
たとえば「初回は入社6か月後、2回目以降は4月1日に一斉付与する会社」では、設定前に次のような表へ整理すると確認しやすくなります。
| 入社日 | 初回付与日 | 初回付与日数 | 次回基準日 |
|---|---|---|---|
| 4月1日 | 10月1日 | 10日 | 翌年4月1日 |
| 10月1日 | 翌年4月1日 | 10日 | 翌々年4月1日 |
これは法定の出勤率を満たし、初回の前倒し・分割付与を行わない場合の整理例です。
実際には、入社月ごとに初回付与日、付与日数、次回基準日を並べ、就業規則と照合してからキングオブタイムへ設定します。
また、基準日を後から変更すると、処理待ちの付与データが削除される場合があります。設定変更前に、現在表示されている付与対象者を確認します。
4. 休暇・休業の設定によって出勤率がずれる
「勤務していない日だから勤務日から外す」と単純に判断すると、有給付与における出勤率が想定とずれる場合があります。
労働基準法では、年次有給休暇を取得した日、産前産後休業、法令に基づく育児・介護休業、業務上の傷病による療養休業の期間などは、出勤率の算定上「出勤したもの」として取り扱います。
キングオブタイムでは、アカウント発行時の初期設定として、有給休暇、産前産後休業、育児・介護休業、労災休業などが「勤務日」に算入され、欠勤などが「全労働日」に算入される設定になっています。ただし、これらの設定は変更可能であるため、現在の設定が法令や自社規程に沿っているかを確認する必要があります。
また、会社独自の慶弔休暇や特別休暇などについては、名称だけでは出勤率算定上の扱いを判断できません。法令や行政解釈、就業規則、労使間の取り決めなどを踏まえたうえで、「勤務日」「全労働日」のどちらに算入するかを設定する必要があります。
さらに、休暇や欠勤がタイムカード上で正しく登録されていない場合や、エラー勤務が残っている場合には、本来意図したとおりに勤務日・全労働日へ集計されないことがあります。
そのため、出勤率が想定と異なる場合は、有休付与関連の設定だけでなく、対象期間の勤務データや打刻状況、休暇登録の内容まで含めて確認することが重要です。
有給設定を変更する前に確認したい影響範囲
付与日や日数のずれを見つけても、すぐに本番設定を変更するのは避けましょう。
有休付与関連設定を変更すると、表示済みの付与データが削除され、当年度は再表示されない場合があります。まず処理待ちの付与対象者を確認してください。
弊社のキングオブタイム導入支援では、就業規則、勤務条件、既存設定、付与結果の対応関係を確認し、雇用区分ごとの代表データで変更結果を確かめています。
有給設定を見直す場合は、次の順序で確認すると整理しやすくなります。
- 就業規則上の付与日・日数・出勤率のルールを整理する
- 雇用区分ごとに契約労働日数・時間と付与条件を分ける
- 入社月別に初回付与日・日数・次回基準日を整理する
- 代表従業員で付与日・日数・出勤率を確認する
- 結果に問題がなければ確認対象を広げる
設定を変更した場合は、変更前後の値、変更理由、対象区分、確認した従業員、実施日、実施者、確認者を記録します。
判断根拠となる就業規則の条項もひも付けておくと、翌年度の確認や担当者交代時の引き継ぎに利用できます。
有給設定を安定運用するための年間ルール
有給設定は、初期設定を終えれば完了するものではありません。
一斉付与なら付与日前にまとめて確認し、入社日基準なら毎月の定例業務へ組み込みます。対象者の確認日、一次確認者、最終処理者、処理期限を決め、入社者、退職予定者、雇用区分変更者を確認します。
キングオブタイムでは、付与・棄却を行った管理者や日時の操作履歴を後から確認できず、付与済み日数の算出方法も処理後は確認できません。
そのため、処理前の対象者一覧、判断内容、処理日、実施者、確認者を社内の管理表へ残します。
また、年次有給休暇管理簿には、労働者ごとの基準日、日数、取得時季を記録します。
就業規則の改定や雇用条件の変更があった場合は、有給設定への影響も確認し、設定値だけでなく判断理由や例外処理も引き継ぎ資料へ残します。
自社での設定が難しい場合に確認したいこと
雇用区分が少なく、付与日と日数のルールが明確で、代表従業員による検証と変更履歴の記録ができる場合は、自社で対応しやすい状態です。
一時的な入社日漏れや、単独の手動付与で修正できる問題であれば、個別修正後に次回付与日まで確認します。
一方、次の項目が複数当てはまる場合は、設定変更前に外部支援を検討することをおすすめします。
- 雇用区分や付与基準日が複数ある
- 一斉付与、分割付与、会社独自の日数が混在している
- 導入初年度の残数や過去データを整理できていない
- 就業規則と実際の付与方法が一致しているか分からない
- 設定変更後の結果を検証する体制や変更記録がない
ズレが出た従業員については、入社日、契約労働日数・時間、勤務日数、全労働日数、出勤率もそろえると、設定・勤務データ・運用のどこに原因があるかを切り分けやすくなります。
設定代行の範囲や支援会社の選び方は、キングオブタイムの設定代行とは?支援内容と依頼先の選び方で詳しく解説しています。
まとめ|有給付与ルールと設定項目の対応を確認する
キングオブタイムの有給設定では、雇用区分、基準日、比例付与日数、出勤率、入社日を、自社の就業規則や雇用条件へ対応させます。
基本設定では「どこで何を設定するか」を整理し、付与されない、0日になる、付与日や日数が合わないといった場合は、設定の組み合わせと勤務実績を確認するのがポイントです。
複数の付与ルールや例外がある場合は、設定値だけを修正するのではなく、就業規則・実際の運用・現在のキングオブタイム設定がどこでずれているかを整理してから見直します。
自社だけでは設定の妥当性を判断しにくい場合は、まず現在の運用と設定の対応関係を確認するところから始めると整理しやすくなります。 フォスターリンクでは、セルフチェックできる診断ツールと、具体的な設定・運用のご相談窓口をご用意しています。
有給設定を直す前に、今の運用とのズレを確認しませんか?
就業規則や勤務ルールと、現在のキングオブタイム設定が合っているかを確認したい方は、
まずKOT適合診断ツールをご利用ください。
設定方法や付与運用まで具体的に確認したい場合は、個別にご相談いただけます。
キングオブタイムの有給設定・付与に関するFAQ
Q. 有給の付与・棄却を間違えた場合、元に戻せますか?
付与・棄却の操作はやり直せません。誤って処理した場合は、有給の付与日や日数を手動で修正します。処理前に対象者と付与日数を確認する運用を決めておきます。
Q. 誰がいつ有給を付与したか、キングオブタイムで確認できますか?
付与・棄却を行った管理者や日時は、キングオブタイム上で確認できません。処理日、実施者、確認者を社内の管理表へ記録します。
Q. 将来日付の有給を付与日前に処理できますか?
有休付与対象者画面では、付与日が来るまで付与・棄却を実行できません。将来日付が表示されている場合は、付与日の到来後に内容を確認して処理します。
参考資料
- 厚生労働省、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)
- 厚生労働省、労働基準法に関するQ&A(年次有給休暇)
- 厚生労働省、年次有給休暇の出勤率の算定
- 厚生労働省 茨城労働局、年次有給休暇を取得しやすい環境づくりに取り組みましょう
- 厚生労働省、年次有給休暇の斉一的取扱い・分割付与に関する行政解釈
- 厚生労働省 山口労働局、年次有給休暇管理簿について
- 株式会社ヒューマンテクノロジーズ、「有給休暇付与機能」の設定方法
- 株式会社ヒューマンテクノロジーズ、有休付与日数が0日と算出される場合の原因と対処方法
- 株式会社ヒューマンテクノロジーズ、「日の契約労働時間」の設定方法
- 株式会社ヒューマンテクノロジーズ、短時間労働者への有休付与日数の算出方法
- 株式会社ヒューマンテクノロジーズ、有休付与における勤務日数・全労働日数・出勤率の算出方法
- 株式会社ヒューマンテクノロジーズ、初回付与は入社6か月後、2回目以降は一斉付与する場合の設定例
- 株式会社ヒューマンテクノロジーズ、「有給休暇付与機能」で算出された有休の付与 / 棄却方法
- 株式会社ヒューマンテクノロジーズ、有休付与対象者として表示されない従業員がいる場合の原因と対処方法
- 株式会社ヒューマンテクノロジーズ、雇用区分変更した従業員の有休残数や次回付与
