キングオブタイム・タッチオンタイム・勤革時は、共通のシステムを基盤とする勤怠管理サービスです。基本機能や月額料金には共通点がありますが、打刻端末やサポート体制、給与・人事労務などの周辺サービスには違いがあります。
では、どのような基準で選べばよいのでしょうか。
この記事では、3製品の違いを各社の公式情報から比較し、自社に合う製品の選び方を解説します。さらに、フォスターリンクが支援した実際の導入・移行事例をもとに、製品選定時に確認しておきたいポイントも紹介します。
フォスターリンク株式会社|勤怠管理・導入支援コンサルタント
KING OF TIMEをはじめとする勤怠管理システムの導入・設定・運用支援を担当。実際の支援現場で見てきた設定・運用上の課題をもとに、本記事を執筆しています。
キングオブタイム・タッチオンタイム・勤革時の違い
3製品を比較する際に注目したいのは、基本的な勤怠管理機能の違いよりも、打刻方法、サポート・設定支援の内容、給与・人事労務などの周辺サービスです。
1.3製品の主な違い
| 比較項目 | キングオブタイム | タッチオンタイム | 勤革時(きんかくじ) |
|---|---|---|---|
| 提供会社・ブランド | ヒューマンテクノロジーズ | デジジャパン | NECグループの提供窓口を通じて提供 |
| システム基盤 | 自社提供 | キングオブタイムのOEM | キングオブタイムのOEM |
| 基本的な勤怠機能 | 勤怠集計・シフト・休暇・申請承認 | 同じ基本領域を提供 | 同じ基本領域を提供 |
| 月額基本料金(税抜) | 300円/人 | 300円/人 | 300円/ID(目安) |
| 打刻方法 | PC・スマートフォン・ICカード・生体認証など | PC・スマートフォン・独自レコーダーなど | PC・スマートフォン・ICカード・顔認証など |
| 電話サポート | 無料・事前予約制 | 無料・予約不要 | 電話サポートを案内 |
| 初期設定・導入支援 | 無料サポート・有償支援あり | 専属担当による支援 | NEC関連の提供窓口で支援を案内 |
| 外部給与ソフトとの連携 | 勤怠データの出力・連携に対応 | 外部給与ソフト連携あり | 給与システム向けデータ出力あり |
| 給与計算・人事労務機能 | シリーズ製品を基本料金内で提供 | 同条件での提供は未確認 | 同条件での提供は未確認 |
| データ分析・PCログ関連機能 | 基本料金内で関連サービスを提供 | 同条件での提供は未確認 | データ分析・PCログ管理の包含を案内 |
| 比較時の注目点 | 周辺機能の利用範囲と設定支援 | 独自端末と電話サポート | NEC関連の導入・支援体制 |
※2026年10月28日時点に確認した公式情報をもとに整理しています。「未確認」は非対応を意味しません。また、PCログ関連機能の具体的な取得対象・提供条件は製品ごとに確認が必要です。
2.どの製品が自社に向いている?
3製品とも基本的な勤怠管理機能を備えているため、何を重視するかによって検討する製品が変わります。
キングオブタイムが候補になりやすい企業
- 勤怠管理だけでなく、給与計算や人事労務もまとめて見直したい
- 初期設定や運用の一部を外部に任せることも検討している
- 複数の打刻方法や周辺サービスを組み合わせて利用したい
タッチオンタイムが候補になりやすい企業
- 独自のタッチオンタイムレコーダーを利用したい
- 疑問が生じたときに、予約不要で電話相談できることを重視する
- 専属担当のサポートを受けながら、自社で設定・運用を進めたい
勤革時が候補になりやすい企業
- NECやNEC関連のシステムを利用しており、既存の窓口への相談を希望する
- 勤怠管理の導入を、社内のITシステム調達・保守体制とあわせて進めたい
勤革時の勤怠管理機能が他の2製品より優れているという意味ではありません。NEC関連の提供・支援体制を活用したい企業にとって、検討する理由になるという位置づけです。
いずれも選定の目安であり、実際に利用できる機能や支援範囲は各社への確認が必要です。
3製品は同じシステム?OEMの関係と共通機能
1.タッチオンタイムと勤革時はキングオブタイムを基盤とするサービス
キングオブタイムは、株式会社ヒューマンテクノロジーズが開発・提供する勤怠管理システムです。タッチオンタイムは株式会社デジジャパン、勤革時はNECグループの提供窓口を通じて、KING OF TIMEを基盤とする勤怠管理サービスとして提供されています。
このように、ある企業が開発したシステムを別の企業が自社ブランドとして提供する仕組みをOEMといいます。
2.基本的な勤怠管理機能は共通している
3製品とも、主に次のような勤怠管理機能を提供しています。
- 出退勤の打刻と労働時間の集計
- 勤務スケジュール・シフト管理
- 有給休暇などの休暇管理
- 残業や休暇の申請・承認
- 勤怠データの出力・給与ソフトへの連携
比較する際は、基本機能の有無だけでなく、各社が提供する打刻端末、周辺サービス、サポート内容などを確認しましょう。
また、機能が用意されていても、自社の就業規則や勤務形態に合わせた設定が必要です。変形労働時間制や複数の勤務パターンがある企業では、実際の勤怠データを使って集計結果を確認することも重要になります。
3製品を料金・打刻方法・サポート・周辺機能で比較
1.料金|基本料金は同水準でも、導入総額は異なる
3製品とも、公式に案内されている月額基本料金は、1人または1IDあたり300円(税抜)です。
例えば、300人分を契約する場合、単純計算では月額90,000円、年間1,080,000円となります。
ただし、実際の費用は基本料金だけでは判断できません。特に次の費用・条件を確認する必要があります。
- 打刻端末の購入・設置費用
- 初期設定やデータ移行の支援費用
- 導入後の有償サポート費用
- 周辺サービスの利用条件や追加料金
- 課金対象となる人数・IDの算定方法
キングオブタイムでは、勤怠管理の契約者向けに、給与計算、人事労務、データ分析などのシリーズ製品が追加の月額利用料なしで案内されています。ただし、利用開始の申込みや初期設定、対象機能、データ移行、打刻機器などの費用・条件は別途確認が必要です。
勤革時も、データ分析・PCログ管理を月額料金内で提供すると案内しています。一方、タッチオンタイムについては、同様の関連サービスの提供範囲や条件を確認する必要があります。
2.打刻方法|タッチオンタイムの独自レコーダーが比較ポイント
キングオブタイムは、PCやスマートフォン、ICカード、生体認証など、多様な打刻方法を提供しています。
タッチオンタイムもPCやスマートフォンによる打刻に対応しており、独自の「タッチオンタイムレコーダー」を提供していることが特徴です。
例えば、専用端末による指紋認証やICカード認証などを利用したい場合は、タッチオンタイムの端末を検討する理由になります。
勤革時もPC、ICカード、顔認証など複数の打刻方法を提供しています。ただし、顔認証などはキングオブタイムにも選択肢があるため、勤革時だけの特徴とは言えません。
製品選定時には、打刻方法の種類だけでなく、実際の利用環境に合うかを確認しましょう。
例えば、オフィス勤務ではPCやICカード、工場・店舗では共用端末の設置場所や認証方法、直行直帰が多い職場ではスマートフォン打刻の利用条件が比較ポイントになります。
複数拠点がある企業では、拠点ごとの端末管理や通信環境も確認が必要です。
必要な打刻方法が決まっている場合は、対応OS、認証方法、通信環境、機器代金まで比較すると判断しやすくなります。
3.サポート|電話相談と設定代行の違いを確認する
サポートは3製品を比較するうえで重要なポイントです。
キングオブタイムでは、チャット、メール、オンラインヘルプ、予約制電話などの無料サポートを提供しています。有償の導入・運用支援も用意されています。
タッチオンタイムは、専属担当による支援と、予約不要の無料電話サポートを案内しています。ただし、初期設定に関するサポートは日程調整が必要な場合があり、設定作業そのものの代行とは区別する必要があります。
勤革時も電話・メール・オンラインヘルプなどのサポートを案内しています。また、NEC関連の提供窓口では設定・運用支援を紹介していますが、具体的な支援内容は契約先に確認する必要があります。
ここで重要なのは、設定方法を相談できることと、設定作業自体を任せられることは異なるという点です。
例えば、社内に設定担当者がいる企業なら、設定方法を問い合わせられる窓口が重要になります。一方、初期設定に十分な人手を割けない企業では、設定方針の整理や実作業をどこまで外部に依頼できるかが判断材料になります。
勤務形態が複雑な場合は、設定後の集計結果の検証まで対応してもらえるかも確認したいところです。
サポートの有無だけでなく、相談・設定作業・検証・運用開始後の支援を、どこまで依頼できるかを比較しましょう。
4.給与・人事労務|連携方法と周辺機能の利用範囲を分けて確認する
勤怠管理システムの選定では、既存の給与計算ソフトとの連携と、給与計算・人事労務機能そのものの利用を分けて考える必要があります。
既存の給与ソフトを使い続ける場合
3製品とも、給与計算に必要な勤怠データの出力・連携に関する機能を案内しています。
ただし、現在利用している給与ソフトとの連携方法や、出力できる項目が自社の給与計算ルールに合うかは確認が必要です。特に、残業・深夜・休日労働などの集計区分や、給与ソフト側の取り込み形式を確認しておきましょう。
給与計算・人事労務もあわせて見直す場合
キングオブタイムは、給与計算・人事労務などのシリーズ製品を基本料金内で提供しています。
一方、タッチオンタイムと勤革時については、同じシリーズ製品を同条件で利用できるか、今回確認した公式情報だけでは判断できません。
そのため、勤怠管理だけでなく周辺業務も見直す場合は、利用可能な製品、追加料金、既存データの移行方法まで確認する必要があります。
また、周辺機能が充実していても、すべてのシステムを一度に変更することが最適とは限りません。現在の業務で何が課題になっているのかを整理したうえで、変更する範囲を決めることが大切です。
自社の勤務ルールに合うか確認したい方へ
キングオブタイムの機能が自社の就業ルールや勤務形態に合うか、導入前に確認したい方は、フォスターリンクの無料適合診断をご活用ください。
キングオブタイム無料適合診断はこちら自社に合う製品を選ぶための3つの判断ポイント
ここまで3製品の違いを比較してきましたが、最終的な選定には、自社で何を優先するかを明確にする必要があります。次の3点を整理しておくと、各社への問い合わせや見積もり比較が進めやすくなります。
1.必須条件と、あると便利な機能を分ける
まず、自社の勤怠管理に欠かせない条件を整理しましょう。例えば、複数の勤務形態への対応、既存給与ソフトとの連携、必要な打刻方法などは、企業によって必須条件になります。
一方、特定の打刻端末や周辺サービスについては、利用できれば便利でも、必須ではない場合があります。
必須条件を満たした製品の中から、追加機能やサポートの違いを比較すると、製品選定の判断基準が明確になります。
2.自社で担当できる作業と、外部に任せたい作業を整理する
製品選定時には、初期設定や運用開始後の設定変更を誰が担当するかも確認しましょう。
シフト制・フレックス・変形労働時間制などが混在する企業では、勤務形態ごとの設定や集計結果の検証に時間がかかる場合があります。また、設定を外部に依頼する場合でも、就業規則や給与計算ルールの整理、最終的な運用判断などは、自社で対応する必要があります。
事前に社内の担当範囲を整理しておくことで、各社のサポート内容や有償支援の必要性を判断しやすくなります。
3.導入時の費用だけでなく、運用開始後の負担も比較する
製品の月額料金が同水準でも、実際の運用に必要な人手や支援費用は異なる場合があります。
例えば、初期設定を自社で行う場合は外部への支払いを抑えられる一方、担当者が設定や検証に時間を割く必要があります。また、就業規則の変更や新しい勤務形態の追加が生じた際に、社内で設定変更に対応できるかも重要です。
各社の見積もりを比較する際は、初期費用・月額料金に加え、設定変更や問い合わせ対応に必要な社内工数も含めて検討しましょう。
導入事例から学ぶ3つの確認ポイント
製品比較では、料金や機能の違いに目が向きやすいものの、実際の導入では設定・検証・運用体制の整備も必要です。
ここでは、フォスターリンクが支援したKING OF TIMEの導入事例と、人事システムの見直し事例をもとに、選定段階から確認しておきたいポイントを紹介します。
※以下はフォスターリンクによるKING OF TIMEの導入・運用支援、および人事システムの見直し事例です。タッチオンタイム・勤革時の導入・設定を検証したものではありません。
1.就業規則と勤怠集計のルールを整理する
複数の福祉施設を運営する社会福祉法人様では、早番・遅番・中早番などの勤務パターンや雇用区分が混在し、Excelによる勤怠集計と給与への手入力が発生していました。
フォスターリンクでは、就業規則・給与規程・勤怠集計表を確認し、休暇の区分や変形労働時間制、残業時間の計算方法などを整理。そのうえで、KING OF TIMEの設定と勤怠データの検証を行いました。
この事例から分かるのは、機能が用意されていることだけでなく、自社の勤務ルールを設定へ反映し、正しく集計できるかが重要ということです。
特に複数の勤務形態がある企業では、製品選定時から必要な設定と検証の範囲を確認しておきましょう。
2.設定後の検証と運用定着まで考える
別の勤怠システム移行事例では、シフト制・フレックス・変形労働・深夜勤務など、複数の勤務形態が混在していました。
システムの移行にあたっては、勤務形態ごとの設定内容を整理し、勤怠データの集計結果を確認しながら、運用方法を整える必要がありました。このような場合、初期設定を終えることだけでなく、実際の勤務データで集計結果を確認し、管理者が継続して運用できる状態にすることが重要になります。
導入支援を比較する際は、設定作業の範囲に加えて、検証や運用開始後のフォローまで依頼できるかを確認しておきましょう。
3.周辺システムを含めて、変更する範囲を決める
勤怠管理システムの変更は、給与計算や人事情報の管理にも影響する場合があります。
フォスターリンクが支援した人事システム見直し事例では、複数のシステム間に手作業が残っていたため、現在のシステム構成やデータ連携、運用費用を整理し、改善方法を比較しました。検討では、システムの乗り換えだけでなく、現在の環境を維持する選択肢も含めて判断しています。
このように、周辺サービスが豊富だからといって、すべてのシステムを一度に入れ替える必要はありません。3製品を比較する際も、既存システムとの連携、移行に必要な作業、運用開始後の費用を含めて検討することが重要です。
契約前に確認したいチェックリスト
最後に、3製品を比較する際に確認しておきたい項目を整理します。
すべての項目を各社に問い合わせる必要はありません。
まずは自社にとって必須の条件を整理し、各社の公式情報で確認できない項目を問い合わせましょう。同じ人数・勤務条件・支援範囲で見積もりを取得すると、比較しやすくなります。
製品の違いだけでなく、導入後の運用まで考える
キングオブタイム・タッチオンタイム・勤革時は、共通のシステムを基盤とする勤怠管理サービスです。
基本的な勤怠管理機能や月額料金には共通点がありますが、独自の打刻端末、サポート体制、設定支援、周辺サービスの提供条件などに違いがあります。
勤怠から給与・人事労務まで幅広く利用したい場合はキングオブタイム、独自レコーダーや予約不要の電話サポートを重視する場合はタッチオンタイム、NEC関連の導入・支援体制を活用したい場合は勤革時が、それぞれ検討の入口になります。
ただし、最終的な製品選定では、自社の必須条件を満たせるか、設定・運用を誰が担当するか、導入後の負担がどの程度になるかまで確認することが重要です。
キングオブタイムの導入・設定でお困りの企業様へ
フォスターリンクでは、KING OF TIMEの導入支援・設定代行・運用支援を行っています。
就業規則や勤務形態に合わせた設定の整理から、初期設定、勤怠データの検証、運用定着まで、貴社の状況に応じてご支援します。
出典・参考資料
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