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8月 18, 2026
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【コンサル解説】出向者の勤怠管理は出向元・出向先どちら?責任分担と4つの注意点

【コンサル解説】出向者の勤怠管理は出向元・出向先どちら?責任分担と4つの注意点アイキャッチ

勤怠・労務の支援現場では、「出向者だけ新しい勤怠システムで管理したい」「出向前の有休残数をそのまま引き継ぎたい」といったご相談をいただくことがあります。

こうしたご相談で難しいのは、システムの設定そのものではありません。出向先では実際の勤務を管理し、出向元では給与や人事情報を持っているなど、1人の勤怠管理に2社が関わることです。

この記事では、出向元・出向先の役割分担を確認したうえで、勤務時間、有休、承認、給与処理で起こりやすい4つのズレと、勤怠システムの運用方法について解説します。

フォスターリンク株式会社|勤怠管理・導入支援コンサルタント

KING OF TIMEをはじめとする勤怠管理システムの導入・設定・運用支援を担当。実際の支援現場で見てきた設定・運用上の課題をもとに、本記事を執筆しています。

出向者の勤怠管理は出向元・出向先どちらが行う?出向者の勤怠管理役割分担図

在籍出向では、労働時間・休憩・休日・時間外労働など、日々の勤務に関する管理は出向先が担うのが基本です。一方、休職・退職など出向元での身分に関する事項は出向元が扱います

ただし、有休や賃金などを含め、すべての項目について一律に分担が決まっているわけではありません。出向元・出向先・出向者の取り決めに基づき、項目ごとに役割を明確にします。

勤怠実務では、始業・終業や残業実績は出向先で確認し、確定したデータを出向元へ連携して給与計算に使用する、といった運用が考えられます。有休についても、残数は出向元で管理し、取得日の調整は出向先で行うケースがあります。

在籍出向と転籍出向の違い

出向には、大きく在籍出向と移籍型出向があります。移籍型出向は、一般に転籍出向と呼ばれるものです。

項目 在籍出向 移籍型出向(転籍出向)
出向元との雇用関係 継続する 終了する
出向先との雇用関係 あり あり
勤怠管理 出向元・出向先で役割を分担 基本的に移籍先で管理

在籍出向では出向元との雇用関係が残るため、勤怠、給与、有休などの管理が二社に分かれやすくなります。本記事では、この在籍出向を中心に解説します。

勤務ルールも出向前と同じとは限らない

在籍出向では、勤怠管理の担当だけでなく、始業・終業、休憩、休日、残業申請、休暇などについて、出向元・出向先のどのルールを適用するかを整理しておく必要があります。

すべてを出向先のルールへ統一するとは限らないため、出向契約や出向規程、両社の就業規則などを確認し、項目ごとに適用ルールを明確にします。そのうえで、実際の勤怠運用やシステム設定へ反映します。

出向者の勤怠管理で起こりやすい4つのズレ

出向元と出向先で役割を決めても、勤務ルールやシステムが異なると、月次の勤怠処理でズレが生じます。

特に確認したいのは、次の4点です。
ChatGPT Image 2026年8月14日 14_51_20

1.勤務時間・勤務カレンダーのズレ

出向元と出向先で所定労働時間や勤務カレンダーが異なる場合は、出向時に定めた労働条件や出向契約、適用される就業規則などを確認し、どの時間を所定労働時間・所定外労働・時間外労働として扱うか整理する必要があります。勤怠システムの管理主体や給与計算の方法によっては、両社間で労働時間の区分や集計方法を調整するケースもあります。

時間外・休日労働がある場合は、36協定の適用関係も確認します。夏季休暇や特別休暇など両社で制度が異なる場合も、勤怠上の休日・休暇区分を整理し、実際に適用するルールとシステム設定を合わせておく必要があります。

 

2.有休のズレ

有休は、付与する会社と実際の取得を調整する会社が分かれやすい項目です。在籍出向では、有休を付与する使用者を取り決めたうえで、申請先や承認者、残数を管理するシステムまで整理します。

出向者だけ別の勤怠システムへ移す場合は、付与日数だけでなく、残数や取得履歴の引継ぎも必要です。新旧のシステムで同じ残数を更新しないよう、どちらを正しい情報の基準とするかも決めておきます。

3.承認者・システム権限のズレ

出向先で勤務しているにもかかわらず、勤怠システム上の承認者が出向元の上司のままでは、打刻修正や残業理由を十分に確認できないことがあります。

一方、出向先の上司に出向元システムを利用してもらう場合は、閲覧できる対象者や項目を限定する必要があります。出向先で勤務実態を確認し、出向元で給与連携前に確定するなど、承認フローとシステム権限をセットで設計します。

4.勤怠データ・給与計算のズレ

出向先で勤怠を正しく確定しても、給与側の項目と合っていなければ手修正が発生します。通常勤務、残業、休日、深夜、欠勤など、勤怠側と給与側の区分を事前に対応させておくことが重要です。

出向元で給与計算を行う場合は、出向先からどのデータを、いつまでに連携するかも決めます。月間合計だけでは差異の原因を確認しにくいため、必要に応じて日別実績や勤務区分、修正情報まで共有できるようにします。

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時間外労働と有休管理を詳しく確認したい場合は、次の記事もあわせてご覧ください。

在籍出向では目的・期間・労働条件も整理する

勤怠運用とあわせて、在籍出向そのものの条件も確認しておく必要があります。

在籍出向は、出向元との雇用関係を維持しながら出向先とも雇用関係を持つ点で、労働者派遣とは異なります。労働者派遣では、派遣先との雇用関係はありません。

また、在籍出向であれば自由に出向を命じられるわけではありません。出向の目的や必要性を整理し、対象者、賃金などの労働条件、出向期間、復帰方法などを出向規程や個別の取り決めで明確にします。出向命令についても、必要性や対象者の選定などによっては、労働契約法第14条の権利濫用が問題となります。

出向期間について、労働者派遣のような一律の3年という期間制限はありません。一方で、期間や終了条件を曖昧にしたまま開始すると、延長や復帰時の判断が難しくなります。開始時に出向期間、延長・短縮の扱い、終了後の所属や処遇まで整理しておくことが重要です。

こうした条件と実際の勤怠運用を一致させたうえで、システム設定や二社間のデータ連携へ落とし込みます。

出向者の勤怠システムは3つの運用パターンで考える

出向者にどの勤怠システムを使うかは、給与の支給元だけでは決められません。

実際の勤務を確認する人、承認者の所属、出向者数、既存システムの権限設定、給与へのデータ連携などを踏まえて選びます。

主な運用方法は次の3つです。

出向者のシステムの運用パターン図

運用パターン 向いているケース 主な注意点
出向元システムを継続 出向者が少なく、出向先上司も承認に参加できる 出向先の勤務カレンダーと権限設定
出向先システムへ移行 出向先の勤務・承認ルールに統一したい 出向元への給与・有休データ連携
出向先で管理し出向元へ連携 両社のシステムを継続利用する 連携項目、締切、訂正方法

 

1.出向元のシステムを継続する

出向者が出向前と同じ勤怠システムを利用する方法です。

給与連携を変更せずに済む一方、出向先の勤務カレンダーや勤務区分を設定できるか、出向先の上司が適切な範囲で承認できるかを確認します。

出向先の承認結果を出向元担当者が毎月転記する運用になると、出向者が増えた際に負担が大きくなります。

2.出向先のシステムへ移行する

出向者を出向先の社員と同じシステムで管理する方法です。

打刻や残業申請、承認を出向先の運用に合わせやすくなります。出向元で給与を支給する場合は、社員番号や時間区分、休日区分などを給与側へ正しく連携できるか確認が必要です。

3.出向先で管理し、出向元へデータ連携する

出向先で勤怠を確定し、CSVなどで出向元へ連携する方法です。

勤務実態は出向先で管理しながら、給与、有休、人事情報は出向元で継続管理できます。出向元で毎月データを加工しなくても済むよう、連携項目や締切、訂正方法まで決めておきます。


出向者だけ別システムにする場合の確認事項

出向者だけ新しい勤怠システムへ移行する場合は、移行対象と出向元に残す情報を先に整理します。

主に確認したいのは、有休の付与日数・残数・取得履歴、社員番号、勤務カレンダー、承認者、過去の勤怠履歴、給与連携項目です。

特に、過去データは出向元、新しい勤怠は出向先と分かれる場合、訂正が発生した際にどちらを更新するのかを決めておかないと、二重管理につながります。

システムを選ぶ前に、どこで勤務実績を確定し、どの情報を出向元へ戻すのかを決めることが重要です。

KING OF TIMEを利用している場合も、出向者用の勤務パターンや承認権限を追加する前に、こうした運用方針を整理しておくと設定しやすくなります。設定や給与連携まで含めて見直す場合は、KING OF TIME導入支援・設定代行で運用整理から支援しています。

出向者向けのKING OF TIME設定を見直したい方へ

勤務パターン、承認権限、給与連携を運用ルールから整理したい場合は、KING OF TIME 導入支援・設定代行のサービス資料をご活用ください。


出向開始前に人事が確認したいチェックリスト

出向開始後に勤怠ルールを決めようとすると、本人、出向元、出向先の間で確認が増え、給与締めにも影響します。

開始前に、次の項目を整理しておくと運用しやすくなります。

1.出向条件・勤務ルール

  • 出向期間、勤務地、職務、指揮命令者
  • 始業・終業、休憩、休日、勤務カレンダー
  • 36協定の適用関係

2.申請・承認・システム権限

  • 残業・休日労働の申請先と承認者
  • 打刻方法と修正方法
  • 有休の付与、申請、承認、残数管理
  • 年5日の有休取得状況を確認する担当
  • 出向先上司に付与するシステム権限

3.給与・データ連携・終了時対応

  • 給与の支給者、手当、欠勤控除の扱い
  • 勤怠データの連携項目と締切
  • 締め後の訂正方法
  • 出向終了時のアカウント停止とデータ保存

担当部署だけでなく、どちらの会社の誰が、いつ、どのシステムで処理するかまで決めておくことがポイントです。

出向者が増えたときに見直したい勤怠運用

出向者が少ない間は、Excelやメールを併用して運用できることもあります。ただ、出向先ごとに勤務区分や給与締めが異なり、有休を別表で管理するようになると、人事側の手作業が増えていきます。

毎月出向先へ勤怠実績を確認している、勤務区分を手作業で変換している、特定の担当者しか給与連携の方法を把握していない、といった状態が続いている場合は、出向者数にかかわらず運用を整理するタイミングです。

出向規程、現場運用、勤怠設定、給与連携のどこにズレがあるのかを確認し、個別対応を増やす前に共通化できる部分を整理することで、手修正や属人化を抑えやすくなります。

フォスターリンクの勤怠まるごと診断では、現在の勤怠運用や設定を確認し、見直すべきポイントを整理しています。

出向者の勤怠管理は、出向元と出向先のどちらが管理するかを決めただけでは完了しません。勤務時間、有休、承認、給与まで、両社のルールとデータをつなげておくことが、安定した運用につながります。

出向者の勤怠管理を、運用と設定の両面から見直す

勤怠運用の課題整理と、KING OF TIMEの設定・運用支援について、それぞれ資料で確認できます。

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勤怠システム全体の比較や、自社に合うシステムを選ぶ際の確認ポイントはこちらで解説しています。

勤怠管理システム比較ガイド|自社に合う選び方と導入で失敗しないポイント


出向者の勤怠管理に関するよくある質問

出向者には出向元・出向先どちらの36協定が適用される?

出向先で時間外・休日労働をさせる場合は、出向先における36協定の適用関係を確認します。実際の時間外労働を把握し、給与計算や労務管理に必要な実績を出向元へ共有できるようにします。

年5日の有休取得義務は出向元・出向先のどちらが負う?

在籍出向の場合は、有休を付与する使用者や取得実績の管理方法を三者間で整理します。基準日や出向元で取得済みの日数も含め、開始時に誰が取得状況を確認するのかを明確にしておくことが重要です。

出向元と出向先の両方で勤務する場合、勤怠はどう管理する?

双方で勤務する場合は、それぞれの勤務時間を記録し、全体の労働時間を把握できるようにします。残業の承認や給与計算に使用するデータが分かれる場合は、二社間の情報共有方法も事前に決めておく必要があります。

出典

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