株式会社 イクス様 導入事例

総務・人事の大幅な生産性向上を実現 ~人事業務改善への最新事例~

 

ご利用サービス:人材管理、人事評価

 

 

株式会社イクスでは、 人事制度の改定と共にクラウド型人材マネジメントシステムを導入。 目標管理 ・ 評価制度を整備して処遇の納得性 ・ 公平性を高める一方、 総務・人事業務の効率化を進め、 作業時間をかつての3分の1まで短縮することができました。具体的にどのように実現したのか?導入後5年、 着実に運用の成果を上げている同社の総務部 部長 下川馨史(しもかわけいじ)様に伺いました。 

高い技術にこだわり、技術者が働きやすい”自由”な会社を目指す

 

――まずは、 御社の事業概要や企業理念、 社風などについてお聞かせください。


下川:弊社は、映像関連機器などの設計開発を行う「映像システムソリューション」、クラウド型プラットフォームを基盤とした「ソフトウェア開発」、大型インテリジェントビルや商業施設のファシリティの価値を高める「ビルオートメーションソリューション」などの事業を行っています。
経験豊富なエンジニアが多く、お陰さまで技術力には高い評価をいただいております。

 企業理念は、「融和一致の精神をもって、 質の高い技術とサービスを提供することにより社会の発展 に寄与するとともに、全従業員の心と生活の豊かさを追求する」 で、これが 「イクスの存在意義」 でもあります。
技術力にこだわった会社をつくり、 技術者に光を当てたいというのが創業者の意向で、 経営にも強く反映されています。
技術者が働きやすい “自由” な会社を目指しており、 実際、 社内の雰囲気は自由です。 技術者の豊かな発想を重んじ、 細かいルールなどでしばることのないよう配慮しています。 そして、 発明など知的財産に対しては褒賞で報い、 意欲が喚起されるように努めています。

 

人事制度改定と共に
クラウド型人材マネジメントシステム「HR-Platform」の導入で効率化を狙う

 

――御社における改革のきっかけや、当時の課題についてお聞かせください。


下川:弊社は、もともとの事業に加え、M&Aを伴い成長してきました。買収した企業の報酬制度はそのまま運用していたため、事業部ごとに制度が異なっている状況でした。このため、社内には年俸制の者もいれば、月給制、日給制の者もいて、従業員は150人ほどですが、管理が大変複雑になっていました。また、 事業部ごとに制度が異なることから、評価制度と報酬制度の合理性や公平性について疑問の声があり、課題となっていました。

 そこで、5年前に、全社の制度を統一し、一本の人事制度とすることを計画したのです。新人事制度の構築を目指して何社かコンサルティング会社にプレゼンをしてもらいました。この中でフォスターリンクさんの提案は、人事制度の構築と共にクラウド型の人材マネジメントシステムを入れるというもので、他社にはない魅力的なものでした。他社は、人事制度構築のコンサルティングだけで、システム作りまで視野に入っていなかったのです。

 弊社の管理部門では当時、人事系の汎用ソフトウェアを使わず、表計算ソフトを使い手作業で人事評価などを運用していました。
また、同じ時期に企業年金を確定給付型から確定拠出型に移行させる計画もあったため、今後の会社の成長を踏まえて、社内の人事情報を一元化して管理できるシステムが必要だと感じていました。そんななか、統一した新人事制度の確立と共にクラウド型人材マネジメントシステム「HR-Platform」を入れ、実務の効率化を図るという提案は大変魅力的で、選択の決め手になりました。

人事制度を統一し、目標管理制度や評価制度を整備
新制度の説明会、社員個別の同意取得まで

 

――具体的には、 どのように人事制度改革を進め、 課題解決を行ったのでしょうか?


下川:制度作りには約6カ月かかりました。事業部ごとに分かれていた等級制度と報酬制度を統一し、目標管理制度や評価制度を整備しました。同時に、目標管理や評価制度に連動したマネジメントシステムも導入しました。
制度変更は、労働条件の不利益変更の問題に留意しなければならず、全社員から個別の同意を得る必要がありました。そこで、事業部ごとに、新しい人事制度の仕組みと目標管理や人事評価について、説明会を実施し、理解と納得が得られるよう努めました。管理職だけでなく全社員を対象にした説明会も行いました。
 結果として、社員から納得をいただくことができたので、よかったと思います。
 フォスターリンクさんには、新人事制度の作成からマネジメントシステムの導入、新制度の説明会、社員の個別の同意取得まで、一貫してサポートいただき大変助かりました。

 

業務の効率化、社内のペーパーレス化が進み作業時間はかつての3分の1に

 

――「HR-Platform」の「目標管理&人事評価」導入後の活用はいかがでしょうか?


下川:目標管理的なものは、部門によってそれまでもあったのですが、全社に統一したルールやシートは、この時に初めて整備しました。
目標管理を初めて運用する部署もあったので、「目標の立て方」「(上司から見た)好ましい目標の立てさせ方」については、勉強会を何度か開催しました。
 目標管理は、評価にも使いますが、目標の設定・社員の動機づけ・目標の達成が大事だと思います。このため、導入後も、より望ましい運用が図れるように、社内でうまく活用している成功事例を共有したり、成功事例を表彰したりして、意識づけています。
部門や管理者によって得手・不得手はありますが、現在では、全社の事業推進において中心的な機能を担っていると思います。
また、以前、事業部ごとに制度が異なっていた頃は、評価制度と報酬制度の合理性や公平性に疑問の声も挙がっていましたが、全社で一つの評価システムを導入することにより、事業部間の評価の差について不満はあまり聞かれなくなりました。

 

――「HR-Platform」の「社員情報管理&申請フロー」の活用はいかがでしょうか?


下川:こちらは、労務管理上の社員台帳および賃金台帳として利用するほか、マイナンバー登録管理、給与明細・賞与明細・源泉徴収票・給与改定通知・人事評価結果の通知など、さまざまな機能を活用しています。給与明細などはそれまで全部紙にプリントして社員に渡していましたので、業務の効率化や、社内のペーパーレス化には大いに役立っています。地方の事業所には、こうした紙の帳票を個別に送っていたのですから……。


また、「社員情報管理&申請フロー」は、賞与や昇給の管理にも用いますし、人事評定の結果を時系列で評価することにより、昇格候補者を抽出したり、人事異動等の判断要素としたり、さまざまに活用しています。過去の研修履歴を見るとか、必要な項目だけを時系列でダウンロードできるので大変便利です。総務 ・人事の仕事を考えると、クラウドのシステムを使うようになって、昔の作業の3分の1くらいの時間でできるイメージです。
クラウドは、わたし自身が作業に携わらない間も仕事をしてくれるので、わたしはポイントだけ押さえればいいという感じですね。
特に、目標設定や評価の提出については、期日より遅れる人が1割ほどいるのですが、目標を提出していない社員や、評価結果を提出していない管理者を検索し、本人と上司に催促メールを送るような機能も「HR-Platform」にはありますので大変便利です。
 社員の賃金台帳などは、データベースが別になっているので、セキュリティ上も安心です。社会保険の手続きは、「HR-Platform」にあるデータの該当部分を社労士に渡してやってもらっています。

 

感覚的に使いやすく、導入後の改善にも柔軟に対応してくれる

 

――フォスターリンクのサービスについて、 感想や評価はいかがでしょうか?


下川:「HR-Platform」については、操作が直感的にでき使いやすいです。操作性、ユーザビリティと言うのでしょうか、それが優れていると思います。目標管理や評価については全社員が使うものですが、感覚的に使いやすいため社内運用上の教育コストをかけずに済んでいます。
 また、導入後も、機能について注文すると、適切に改善してくれるので有難いです。柔軟に対応いただき、画面の操作、検索やソートにしても、年々、使いやすくなっている印象です。

 低コストで、スピード感をもって直せるというのが、「HR-Platform」サービスの強みだと思います。また、フォスターリンクの担当者にも好印象を持っています。優秀な技術者によるサポート体制が充実しているというのでしょうか、導入から5年の間に担当していただいた皆さんがレスポンスが早く、こちらの 要望を的確に理解して答えを出してくれます。
ソフトウェアの達人には、コミュニケーションの苦手な人が多いのですが、フォスターリンクさんはソフトウェアの技術力とコミュニケーションの両方できる人が来てくれるところがポイントだと思います。最近では、「人事情報シート」といって、一つのファイルに、社員の名前・住所・顔写真・個人情報・過去の評価・給与・資格・研修履歴など全部が見られるようなシートを、システム内に作ってもらいました。これを使うと、一人ひとりの社員の全体像が手に取るように分かり、社長が昇格や管理職登用などの場面で検討するのにも活用しています。

 

生産性の向上で、プライベートの充実も実感できる会社にしたい

 

――最後に、これからの人事管理に向けての抱負はいかがでしょうか?


下川:今後、日本の労働力人口が減少する中では、個々の労働者が生み出す付加価値(生産性)を高めていくことが不可欠です。そんな中で、弊社においても生産性向上の取り組みを進めたいと思います。
具体的には、労働生産性と人事評価を連動させたり、「HR-Platform」の履歴情報を活用し社員教育を適正に推進して、生産性の向上を進めたいです。
OECDの調査によると、日本の時間当たり労働生産性はアメリカの6割強で、OECD加盟35カ国中20位だという話です。まだまだ改善が必要でしょう。
弊社の採用担当の女性は育児短時間勤務で10時から午後5時の勤務なのですが、無駄な時間を排除し、効率的に働いています。今期、管理職に昇格したのですが、彼女を見ていると、考え方次第で、生産性を上げられると思うのです。
“働き方改革”というのでしょうか。今、伸びている会社は、そういった工夫があるのではないでしょうか?冒頭でお話しした弊社の企業理念には、後段で「全従業員の心と生活の豊かさを追求する」とあり、今述べたような「心の豊かさ」についても、人事管理・組織風土作りの面で、追求していきたいと思います。
この先、労働力人口が減る中で、良い人材を確保するためにも、「心の豊かさ」を実感できる会社にしていきたいと思うのです。

 

 

 

<企業紹介>

◎社名/株式会社イクス
◎代表取締役社長/井本 眞義 
◎設立/1999 年7月
◎資本金/4億2433万円
◎URL/https://www.iix.co.jp/

 

<PROFILE>

Image 46-png 川 馨史(しもかわ けいじ)
 株式会社イクス  総務部 部長
 
1965 年生まれ。 2006 年、 株式会社イクスに入社。 2015 年より現職

<INTERVIEWER>

 園田 裕彦(そのだ ひろひこ)
 人と組織の幸せを考える会 代表
 1956 年生まれ。 1980 年慶應義塾大学文学部社会学科卒業。 労務行政研究所にて、人事制度コンサル
 ティング部門
長、 人事労務専門誌 『労政時報』 の編集長などを歴任。 退職後は、 労働法や企業の成長につながる  
 組織作りについて講演等を行う。 著書に 『働くみんなの労働法』(労働新聞社刊)。