草野産業株式会社様の導入事例

「社員の本音を引き出したい」上司を介さず、秘匿性の高い自己申告を目指し
『自己申告制度』を導入 「85%以上が本音で回答」期待以上の結果に

 

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草野産業株式会社様は、鋳造原料における事業を100年以上にわたって展開されており、特に鋳物用銑鉄の取り扱いにおいては国内トップシェアを誇る複合商社です。現在の従業員数は、158名(2022年4月現在)です。
 
同社では、2020年より『自己申告制度』を導入していただいています。フォスターリンクは、設問設計の段階からサポート。ユーザー登録、質問票やワークフローの設定、社員の方々に対する実施の案内やリマインドなど、運営部分も担っています。
 
今回は、システム導入のきっかけ、自己申告の結果をどのように活用されていらっしゃるのか。また導入後の成果などについて、総務部部長 髙田様にお話を伺いました。
 
※以下、敬称略

 

「誠意を以て事にあたる」創業からの理念を体現するため、行動指針を人事評価項目に

 

Q:最初に、貴社の業務内容について教えてください。

 

髙田:当社は1914年に創業した、鋳造原料を主に扱う複合商社です。中でも、鋳物用銑鉄の取り扱いは国内トップシェアであり、近年は中国・インドネシア・ベトナムなど、海外にも取引の幅を広げています。現在の拠点数は、国内外で19拠点。従業員数は、158名(2022年4月現在)です。

 

Q:組織の運営や人材マネジメントを実行するにあたり、大切にされている考え方はございますか?

 

髙田:当社には、創業時から変わらない五つの経営理念があります。
 
・第一に誠意を以て事にあたる
・第二に堅実にそして積極的に進む
・第三に存在価値あるものとなる
・第四に会社と共にある
・第五に和を以て基とする
 
ただ、理念は掲げているものの、数年前まではそれが組織に浸透しきれていない、という課題がありました。組織が少しずつ大きくなるに伴い、やはり『理念』の部分を共有できていないと、組織としての強さを保てないのではないか。そう考え、理念をより具体的な行動に落とし込んだ『行動指針』を作成しました。
 
01 Core三現主義を基本に行動します
02 Challenge チャレンジし続けます
03 Cooperation チームワークを発揮します
 
この指針については、コンピテンシーの項目として5段階で人事評価に反映しています。それもあり、社員は日々この行動指針、ひいては理念を意識しながら業務にあたっています。

 

Q:2020年より自己申告制度をご利用いただいています。導入のきっかけについて、教えてください。

 

髙田:当社では20年以上前から、職務意識や職場環境について社員にヒアリングする仕組みがありました。
 
当時は紙のシートに記載する方法でしたが、それが総務に上がってくる前に、シートを元にした上司との面談があったんです。私自身も経験しましたが、上司のチェックが入るので本音を記載することができません。また、「転勤したい」などの希望を記載してもなかなか叶わない…という声も聞いていました。そのため、私が総務部に入ってからは、その仕組みを変えたいと考えていました。
 
どうすれば、上司を介さず総務部にダイレクトに回答を送ることができるのか。その中で、秘匿性も守れるか…。外部研修をお願いしている講師に相談したところ、その方からフォスターリンクの岡さんをご紹介頂きました。

 

 

Q:フォスターリンクへの依頼を決めた理由を教えてください。

 

髙田:フォスターリンクさんには、2019年からコンサルティングという形で意識調査の設問設計などをお手伝いいただきました。その後、秘匿性を守りつつ社員が直接システム上で回答ができる自己申告制度をご提案いただき、2020年に入ってからシステムを整備しました。岡さんのご提案で、私が目指していた未来に近づけたような気がしましたね。
 
実は岡さんと出会う前に、他社サービスを検討したこともありました。ただ、フォスターリンクさんは私たちの目指しているところを上手く掴み取り、それに対して「こんな方法があります」とさまざまなご提案をしてくださいました。さらには、費用感も良心的でしたね。
 
もう一つ、自己申告制度を進める上での強い要望がありました。それは「360度評価を意識させないような形」でありながら「360度評価の要素も欲しい」というもの。その辺りも実現可能だったので、フォスターリンクさんに決めました。

 

Q:ちなみに、なぜ『360度評価』を使わず「要素だけ」というご要望だったのでしょうか?

 

髙田:実は以前、360度評価を実施したことがあります。その時、部下から上司に対する辛辣な意見や、「気を遣って、現実よりも良く書いてしまっているのでは…」と勘繰ってしまうような回答もありました。
 
360度評価だと、どうしても「この人を評価するぞ」というような意識が働いてしまいます。でも「自己申告制度」として、キャリアや働き方に関して質問する中に、上司に関する設問も入っているレベルであれば、圧迫感を与えることなく回答が得られるだろうと思いました。

 

目的の達成度は、期待以上!多くの社員が『フルオープン』で本音を申告できる環境に

 

Q:具体的に、どのように活用されていらっしゃるのか教えてください。

 

髙田:自己申告は年に一度、社員全員を対象に6〜7月に実施しています。当社の異動時期が10月と3月であるため、その前に異動の希望や、異動ができない場合はその理由などを把握しておきたいという背景があります。
 
まず、自己申告の時期が確定したらフォスターリンクさんにご連絡し、ユーザー登録、質問票やワークフローの設定などをお願いしています。また、社員に対する実施の案内やリマインドなど、運営部分もお任せしています。
 
申告が終わった後は、結果を踏まえて私と総務部の女性社員の2人で拠点を回り、社員全員と面談をしています。1名約1時間の時間をとっており、女性の面談は女性が対応します。
 
自己申告や面談の内容については、異動や昇格、また『働き方』にも反映します。例えば、社員の家族に体調面でのサポートが必要な方がいらっしゃる場合には、仕事と家庭のバランスを保てるよう上司に進言します。

 

Q:フォスターリンクのサービスや運用面で、特にご満足いただいている点について教えてください。

 

髙田:たくさんあります。まずは、「紙ベースでの管理」から解放されたことです。以前は、自己申告シートに本人と上司が押印し、それを各拠点から総務部へ郵送してもらい、ファイリングして管理するという体制をとっていました。煩雑な作業が必要だったのですが、今はすべてシステム上で完結しています。
 
また、岡さんも、担当のカスタマーサポートの方も、真摯になって相談に乗ってくださり、何かあっても素早く対応いただけるので非常に助かっています。

 

Q:懸念されていた「360度評価の要素」の部分はいかがでしたか?

 

髙田:この目的については、初回から「達成できた」と思いました。期待以上に「本音だろう」と思える回答が多く、実際に面談で深堀りしてみても「やっぱり本音だったんだな」と実感できました。本当に、フルオープンで申告してくれる社員が多いですね。
 
実は、当初は「半分くらいの人が本音で回答してくれたら良い」程度に考えていたのですが、実際には85%以上が本音だと感じています。やはり「上司を通さない」ということと「ちゃんと秘密が守られる」という安心感があったからだと思います。

 

Q:最後に、今後フォスターリンクと一緒に取り組みたいと思われる課題があれば、教えてください。

 

髙田:当社はこれから先、SDGsやカーボンニュートラルなどの分野にも積極的にアプローチしていきたいと考えています。商社なので、ある意味可能性は無限大だと思っています。近年では、樹脂やプラスチックなどにも事業展開しています。そのため、柔軟な発想を持ち、自分が担当している業務以外でもマルチに活躍できるような社員を育成したいと考えています。そういった資質が育つような風土を作っていきたいですね。
 
そのために、自己申告制度で得られた情報を整理して、もっと人材育成に活用したいと思っています。フォスターリンクさんにも、お力添えいただけると嬉しいです。

 

 

 

<企業紹介>

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◎社名/草野産業株式会社
◎事業内容/鋳物用銑鉄・鋼材・鉄屑・合金鉄・鋳物製品・コークス・化学製品・鉱産物・鋳造工業用機械装置の販売・花卉、肥料、その他農業用資材・花の温室栽培・土木建築用資材・土木建築工事業および上記商品の貿易
◎従業員数/158名(2022年4月現在)
◎URL/https://www.kusanoco.com