株式会社オーティーエス様の導入事例

従業員が自ら考えて動く組織を目指す HR-Platform 人事評価を活用し、大幅な業務効率化を実現 評価者・被評価者の意思疎通もスムーズに

 

ご利用サービス:人事評価、360度評価

 

 

株式会社オーティーエス様は、ファッション物流や倉庫事業、品質管理などの各種サービスを手掛ける企業です。
 
昭和61年に設立し、現在は6つの拠点で806名(うちパート638名)(2022年7月現在)が働いています。
同社では、2016年に経営方針を大きく転換した際に、人事評価制度も刷新しました。

その制度設計の段階からご相談いただき、業務効率化や人事評価のデータ分析などを目的に『HR-Platform 人事評価』を導入いただきました。併せて、『HR-Platform  360度評価』の活用、そして各種研修もご依頼いただいています。
今回は、サービス導入のきっかけや、フォスターリンク社を選んだ理由、具体的な活用方法まで、同社の代表取締役社長 田中様、取締役 荒井様、そして管理部 金野様にお話をお聞きしました。
 
※以下、敬称略

 

従業員が自ら考えて動く、自律的な組織を目指す

 

Q:最初に、貴社の業務内容について教えてください。


 
田中:当社は、洋服や靴、ジュエリーなどのファッションアイテムを専門に扱う物流サービス業を営んでいます。
百貨店やセレクトショップなどで販売される商品をお預かりし、それぞれに必要な加工を施し、ご要望によっては検品や修理なども行った上でお店に出荷しています。
また、近年はネット通販事業の方も拡大しており、直接消費者のご自宅にも出荷しています。

 

 

Q:貴社の経営理念と、そこに込められた想いについて教えてください。

 
田中:当社の経営理念は「お客様に喜ばれ、働く人たちが喜びを感じ、いつまでも社会に貢献し続ける企業であること」です。
創業者がこの事業を立ち上げたきっかけは、
お客様からの「こうして欲しい」「こういうことに困っている」という声でした。
そのアイデンティティを受け継ぎ、現在もお客様に喜んでいただくため「そこまでやるの?」と言われるような細かなサービスを提供し続けています。
働く人たちの喜びについてですが、僕たちの提供している仕事の大部分は、手作業です。
そのため、多くの人材に現場を支えてもらっています。
仕事なので、苦しいことやしんどいこともたくさんあるとは思いますが、そんななかでも、楽しく、面白く働ける環境をどう実現するか、ということを常に考えています。
例えば、給与面、働き方など、会社のさまざまな環境や仕組みを整え、社員が健康な状態で長く働ける職場を目指しています。

また、社会貢献については、世の中でSDGsが叫ばれるようになる前から取り組んでいます。
特に「カイテン倉庫」は、お客様満足とサステナブルの同時実現を目指す事業です。
ブランドイメージを守りつつ、アパレル企業の滞留在庫をスムーズに消化させるこのサービスは、在庫過多での倒産や商品の大量廃棄を防ぐことができます。
持続可能な社会実現の一助となることを、期待しています。

 

Q:今後の、事業ビジョンについてお聞かせください。

 

田中:現在準備しているのは、ファッションアイテムへのプリント加工サービスです。
この業界の商慣習として、大ロットを、時間をかけて生産するというのが一般的となっています。
そのため、中小規模のアパレル企業は、自分たちが作りたいものを作れないという状況も増えてきています。
その課題を解消すべく、小ロット・短納期で生産できるサービスを作りました。
これにより、今よりもバラエティに富んだ商品が販売され、最終的には物流の増加にも貢献できるような事業に成長するといいなと思います。

 

Q:組織運営のビジョンについてもお聞かせください。

 

田中:現在当社では、6つの拠点で800名以上の従業員が働いています。
ただ、僕は1つの会社であまり大きな組織になるのは良くないのではと考えています。
今後、何らかの形でいくつかの組織に分ける構想があります。
組織を分けることで、それぞれに独立性が生まれ、従業員が自ら考えて動く『自律的』な組織に成長できると期待しています。
そして、それぞれの組織が切磋琢磨し、成長してくれれば嬉しいですね。

 

360度評価の実施で、管理職・指導者層の強みと弱みが明らかに

 

Q:HR-Platform  360度評価をご利用いただいています。なぜ、360度評価を取り入れられたのでしょうか?

 

荒井:フォスターリンクさんに360度評価をお願いしたのは、2016年が初回です。

それから、2〜3年に1度のペースで実施しています。

以前実施した際は、社長から管理職クラスまで45名を対象としました。

その際、フォスターリンクさんには設問の設計から評価後のフィードバック研修、そして人材力診断までお願いしました。

結果、管理職層や指導職層、それぞれの強みと弱みを把握することができました。

 

例えば、管理職層は人材の動機づけや育成力に課題があり、反対に顧客志向や変革志向が強みであることが明らかになりました。

その結果は、教育計画にも反映させました。

 

フィードバック研修を受講後の対象者の受け止め方が、100%ポジティブ評価だったことも印象的でしたね。

 

 

田中:上司から部下への評価は、どうしても一方通行になりがちです。また、部下から上司への意見は、非常に伝わりにくいものであるとも思っています。

 

360度評価を実施すると、まずは被評価者、本人に気づきがあります。

さらに評価者も、改めてその人について考えると、これまで見えなかった部分が見えるようになります。

 

その視点を得ることで、人事評価も多面的になるのでは、と考えています。

 

Q:各種研修もご依頼いただいています。具体的に、どのような研修を実施されたのでしょうか?

 

金野:まず、当社は「女性が安心して長く働ける労働環境づくり」に取り組んでいます。

以前の当社は、正社員の数が男女ほぼ半々でした。

ただ、女性管理職は、その当時私1人しかいませんでした。

そのため、女性の管理職を育成し、男女のバランスの良い会社にしていかなければ、と考えました。

それで、フォスターリンクさんに相談して『女活ワークショップ』という研修を実施しました。

 

荒井:この研修の目的は、2つありました。

 

1つは、管理者を目指せるような意識を持った女性社員を育成すること。

そして、もう1つは「管理職は大変」というイメージを払拭することです。

実際に、女性社員にヒアリングしてみると「管理職にはなりたくない」という声が多く聞かれました。

例えば、管理職は朝早く来て、最後まで会社に残らなければいけないというようなイメージがあったのです。

そうすると、家事・育児をしながらだと管理職は務まらないのでは、と思われていました。

でも、実際の管理職の業務を知ってもらうことによって「それなら、私たちでもできるんじゃないか」と希望を持つ人を、1人でも2人でも増やせたら、と考えました。

 

研修も含め、女性が働きやすい環境づくりを推進した結果、現在は、女性管理職比率が16.7%(2022年7月現在)となっており、2名の女性管理職が活躍しています。2019年には、厚生労働省が、女性の職業生活における活躍推進が優良な企業を認定する『えるぼし』の3段階目を取得しました。

 

システム導入で業務効率化を実現 上司と部下の意思疎通も良好に

 

Q:HR-Platform 人事評価をご利用いただいています。導入いただいたきっかけについて、教えてください。

 

金野:当社では、25〜30年ほど前に人事評価制度を作りました。

時代に合わせて少しずつ改良はしていたのですが、2016年、経営戦略の大きな方向転換と同時に、評価制度も大幅に見直しました。

評価委員会を組織し、社員からも意見を集めて、新しい評価制度を作りました。

具体的には、目標管理の項目や基準を見直したり、行動評価の項目を追加したりしました。

 

また、元の人事評価制度は、社員にその仕組みが伝わっていないこと、管理職への理解が浸透していないことも課題でした。

 

そのため、評価の結果と賃金を連動させ、どうすれば昇格するのか、あるいは降格になるのか、従業員が見てすぐに分かるよう『明確化』しました。

 

同じタイミングで、管理も紙ベースからシステムに移行することを決めました。

システムだと業務効率化がはかれるだけでなく、さまざまなデータを抽出できるようになると思いました。

 

 

Q:具体的に、どのように活用されていらっしゃるのでしょうか?

 

金野:当社では、毎年10〜11月頃に社員が前年の評価を見ながら上長と一緒に目標を立てます。

それを、HR-Platform 人事評価に入力しています。そして翌年の9月、社員自身でまず評価を入力し、それを見て上司が評価するという流れです。

それを全体で集計したものをHR-Platform 人事評価から出力し、評価会議を実施します。

そこで、部門間の評価のばらつきや、個別の案件について見直しをし、最終決定となります。

 

Q:フォスターリンクへの依頼を決めた理由を教えてください。

 

田中:実は、フォスターリンクさんには、人事面について2016年より前からご相談をしていた経緯があります。

人事評価制度を刷新する段階で、既に当社のことをよくご存知だったので、信頼してお任せしました。

制度設計から、仕組みづくり、システムの導入まで一連の流れをサポートいただきましたね。

 

業務内容や部署ごとに、それぞれの目標設定の方法などについて、勉強会形式でディスカッションしながら作り上げました。

 

Q:実際にHR-Platform 人事評価をご利用いただいて、どのような効果を実感していらっしゃいますか?

 

金野:やはり、集計の手間がかからなくなったというのが一番大きいですね。

 

導入以前は、完全にアナログな管理方法でした。

毎年、150名ほどの社員から紙で届く評価シートを、一枚一枚、Excelに手入力していたんです。

しかも、まとめてではなくバラバラと届いたり、部署ごとにフォーマットが違ったりして、かなり煩雑な作業になっていました。

また、人の手で転記する場合、人為的なミスのリスクもありました。

 

現在は管理部で入力する手間は無くなり、ボタン一つで結果が出てくる訳ですから、かなりの業務効率化になっています。

また、入力していない社員など、未完のタスクも一目瞭然なので、とても助かっています。

 

荒井:評価項目それぞれのデータを分析したい場合なども、フォスターリンクさんに依頼すればすぐにご用意いただけます。

人事評価の分析資料を作成する際に、非常に役立っています。

データで抽出できるということの利点を、ひしひしと感じているところです。

 

田中:上司と部下の、意思の疎通にも役立っています。まだまだ十分とは言えませんが、お互いが感じている評価のズレというところのコミュニケーションが、以前よりも、取りやすくなったと思います。

 

Q:HR-Platform 人事評価をご活用いただいた、率直な感想をお聞かせください。

 

金野:運用していくなかで、フォスターリンクさんにさまざまなことを質問しています。

その際、的確にアドバイスをくださったり、一緒に考えてくださったりします。

人事評価制度の仕組みを考えたりするときなど、やはり外部の詳しい方に相談ができるというのは、安心できますね。

 

田中:あと、当社のことを非常によく理解してくださっているので、話が早いです。

その理解があるから、ご相談しても、ある程度の解決策を提示していただけるので、心強い存在となっています。

 

Q:最後に、今後フォスターリンクと一緒に取り組みたい課題があれば、教えてください。

 

田中:評価者研修に力を入れていきたいと思っています。

今後は、管理職や評価者が、HR-Platform 人事評価を積極的に活用することが必要だと考えています。

そうすることで、上司と部下、評価者と被評価者がもっと的確に、ある程度踏み込んだコミュニケーションが日常的にとれるようになるのでは、と期待しています。

それによって、もっと評価に対する納得性を高めていきたいと思っています。

 

 

 

<企業紹介>

◎社名/株式会社オーティーエス

◎事業内容/ファッション物流に関する一切の業務(物流・倉庫、各種ビジネスサービス・BPO、フォトサービス)

◎従業員数/806名(うちパート638名)(2022年7月現在)

◎URL/https://www.e-ots.jp