株式会社 新経営サービス様 事例・対談

【働き方改革(生産性向上 ・ IT化)】
人事コンサルティング会社の選ぶ人事評価システムとは

 

ご利用サービス:人事評価

 

 

 人事コンサルティングを中心に幅広い経営支援を行う株式会社新経営サービスでは、クラウド型人事評価システム「HR-Platform」を導入しました。同社では、人事制度を設計したお客様から「IT化」の要望があるため、企業ごと異なる評価制度に対応できるシステムを長らく探してきました。しかし、①ものすごく高価で何千万円もするものか、あるいは②廉価だが、柔軟性がなくパッケージ側に合わせなければならないものか――しか見当たらなかったそうです。そのような中、人事評価システム「HR-Platform」に出会い、試験導入。その結果、ベストワンと判断し「お客様にもお薦めできる」としています。いったいどのような点が、ベストだったのでしょうか?新経営サービスの常務取締役で人事戦略研究所所長の山口俊一様に、代表取締役社長の倉島が、お話をうかがいました。

 

ポリシーは各社の課題解決に向け、1社ずつ個別に制度設計すること

 

倉島:本日はよろしくお願いします。最初に、御社の概要からお話しいただけますか?

山口:弊社は、中堅・中小企業を対象に経営全般の支援を行っていますが、特に、人事制度や人材育成のコンサルティングに強みをもっています。京都の会社ですが、お客様は全国のさまざまな業種に及びます。


倉島:人事制度設計は、どのようなポリシーで行っているのでしょうか?


山口:まず一つは、「企業ごとの課題解決に向け、1社ずつオリジナルに制度設計すること」を大事にしています。世の中の人事コンサルティングは、これまで「○○式賃金制度」「職能資格制度」など、自社が得意とする制度を顧客企業に当てはめるケースが多かったと言えます。しかし、企業の組織や課題は1社ごとに違いますし、業種が違えば働き方や求める人材像も異なります。メーカーとIT企業、小売業では、全然違います。同じ制度を当てはめようというのは無理があります。そこで、弊社では、企業ごとの課題やニーズを丹念に探り、それにマッチした各社ごとの制度作りを大切にしています。これまでに制度設計だけで500社以上お手伝いしており、会社ごとに作っていくと、業種ごとの特徴も見えてきます。物流業にはこういうものが必要だとか、IT企業ならSEの評価をどう行うかなど、さまざまな知見が増え、データベース化して、個別の企業に適したものが作りやすくなりました。個別にお客様に合った制度を作るのは手間がかかりますが、最終的にお客様にとって良いことだと考えています。

 また、制度を入れて終了、というコンサル会社も多いのですが、弊社では、その後の運用も見守り続けることを大切にしています。人事制度というものは、 形ができればそれで回っていくというものではありません。人事担当者が制度をうまく運用できず、歪んだ運用になっている例も珍しくありません。マネジメント層に対する教育が必要な場合も多々あります。ですから、弊社では、制度の運用や周辺の教育まで含めて、お客様に寄り添っていくようなスタンスでいたいと考えています。


なぜ、人事評価システム「HR-Platform」を選んだのか?

 

倉島:そのように “企業ごとのオリジナル” にこだわる御社が、弊社のクラウド型人事評価システム「HR-Platform」をご利用いただくようになったのは、どういう経緯だったのでしょうか?


山口:企業ごと異なる評価制度に対応できるシステムを、ずっと探していました。その結果、ようやくめぐり会ったんです。今、申し上げたように、弊社では、各お客様にオリジナルな人事制度を作りますから、当然、評価制度も評価表も会社ごとに違うわけです。これを何とかシステム化できないかと……。

お客様からもIT化の要望があるわけです。それで、ここ10年ほど探してきましたが、世の中にあるものは、

 ① ものすごく高価で何千万円もするものか、
 ② 廉価だが、柔軟性がなくパッケージ側に合わせなければならないものか、
――そういうものしか見当たりませんでした。弊社の顧客は中堅中小企業ですから①は無理ですし、②は会社ごとに作ったオリジナルな制度に対応できません。できるだけ柔軟に対応いただけて、しかもリーズナブルなシステムはないかと探し続けた結果、ようやく見つけたのが、御社のシステムでした。




倉島:光栄です。弊社でも、さまざまな企業の人事管理システムをお手伝いする中で、特定のパッケージに当てはめる形では、すべての企業のニーズに応えられないと感じていました。企業ごとに最適な人事制度はそれぞれ異なることが当然とも言え、企業ごとに最適化したオリジナルな制度を運用していく上で、 それを出来合いのテンプレートへ当てはめるということには実際無理があったからです。そのような理由から、弊社のクラウド型人事評価システムは、お客様ごとのニーズに対して柔軟に対応することをねらってサービス設計しています。 御社のスタンスと共通だと思います。


山口:御社と弊社のスタンスは、この点で一致していると思います。


倉島:そして、御社自ら、弊社のシステムを導入してくださっていますが、これは、どういうニーズからでしょうか?


山口:お客様からシステム化を相談されたとき、本当にお薦めできるシステムかどうか、みんなで体感しようと思って導入しました。うちの評価表はかなり複雑で、システム化の前は、エクセルでシートを作りA3サイズの表裏を全部使った評価表になっていました。この複雑なシートがうまくシステムに乗るのか、試してみたかったのです。このシートが乗るなら、どのお客様にも対応できると思いました。


倉島:参考までに伺いますが、人事コンサルタントの評価は、どういうふうに行うのでしょうか?


山口:コンサルティング会社にもいろいろあって、大手では受注するまでは「営業」、受注してからは「コンサルタント」、周辺の研修は「講師」と分業している例もあります。けれども、弊社では、営業、コンサルティング、研修を分業せずに行っています。セミナー講師をしたり、商品の開発もします。自社 Webサイトの企画といったこともプロジェクトチームで行うケースがあります。弊社のコンサルタントには、いろいろなことが求められる。ですから、評価では、コンサルタントとしての能力や業績はもちろん問いますが、加えて、講師としての能力や、商品開発や販促企画、社内的な人材育成・後輩指導、あるいは 「対話力」のような基礎能力、「顧客志向」のような姿勢面、協調性やチームワークといったものまで評価します。おそらく、御社が扱った中では、一番多面的な要素が入っていると思います。すべてパーフェクトでなくていいから、いろいろな面を育てていってほしいと考えているのです。


どのような評価制度にも柔軟に対応でき、お客様にお薦めできる


倉島:それで、HR-Platformを実際にご利用いただいて、使い心地はいかがでしたか?
複雑な制度に対応できていますか?


山口:はい、よく対応してくれています。弊社自身は小規模な会社なので、IT化ですごく効率化したとか、そういうことではないですが、使ってみて十分に期待に沿うものだと感じました。すでに何社かにご紹介していますが、お客様からシステム化を求められたら、お薦めできるシステムだと考えています。人事評価を効率的に行うことにも、十分に貢献できると思います。


倉島:ありがとうございます。クラウドにある良い材料を選んで使って構築しているので、スピーディかつ柔軟に対応が可能です。
評価結果のデータ活用など、そういった面の使い心地はいかがですか?



山口:御社のシステムを使うメリットは、データ活用の面でも大きいと思います。うちでは、評価が終わってから評価点数を上から並べて「評価調整会議」 を開きますが、今までだと評価点数の一覧を手打ちで作っていたものが、ボタン一つでできるようになり助かっています。そのほか、評価結果を部署別や時系列などで傾向分析するとか、そういった面で、システム化されていることのメリットは大きいと思います。


倉島:御社の今後のコンサルティング・サービスにも役立ちそうですか?


山口:例えば、御社の人事評価システムが入っていると、評価者研修で部署別の平均値を示して、どの部署は何が強い・何が弱いなど傾向を見たり、さまざまに活用できると思います。部署ごとの甘辛傾向を検討するなど、使い方はいろいろ考えられます。


今後の課題は「働き方改革」への対応


倉島:今後の御社における課題や目指す方向性について、お聞かせ願えますでしょうか?
人事の分野も変わってきていて、「HRテクノロジー」や「働き方改革」といったキーワードが取り挙げられていますが……。


山口:「HRテクノロジー」については、社内に検討チームを作っていますが、まだ研究段階です。うちがそれに取り組むべきなのか、それを得意な会社と一緒に進めるのがよいのかという点を含めて、現在研究中です。
「働き方改革」については、弊社ではかなり前から「在宅勤務」とか「モバイルワーク」とか、柔軟に働ける体制作りを進めています。コンサルティング会社は、そういう面では一般に進んでいると思います。セキュリティーの問題など注意しなければならない点はありますが、そこを確保しながら進めています。 コンサル会社は夜中まで働くイメージがありますが、うちはできるだけ柔軟に働けるようにしているので、比較的バランスが取れているのではないでしょうか?子供の授業参観には出てあげなさいと言っていますし、9時5時の仕事ではないですが、仕事とプライベートの両立はできるようにしたいと、かねてから考えてきました。

 また、対クライアントで考えたときも、「働き方改革」はトレンドですし、企業の取り組みが必要です。それに向けた人事制度の在り方とか、生産性を高めるために、どういう仕組みが必要かなど、今、研究チームを作っていろいろ検討しています。


倉島:「働き方改革」が制度設計に及ぼす影響とは、どういうものでしょうか?


山口:一番大きいのは、残業時間削減と生産性向上の問題です。残業時間を減らすと残業代が減り、企業にとってはうれしいのですが、頑張って生産性を上げた人が結果的に賃金面で損をしてはモチベーションに関わります。そこで、例えば、賞与で還元する仕組みを作るとか、そういうことを提案しています。残業時間の削減と生産性向上が正常に動機づけられる形を作る必要があります。


倉島:「働き方改革」と言うと、そういう制度的な面も大事ですが、同時に “働く人たちの意識” の問題があります。特に中堅クラス以上の管理職とか経営幹部の方々とか、現場で仕事を指揮する人々の意識を変えていくこと、これは教育研修の領域になると思いますが、この辺りの必要性については、どうお感じになりますか?


山口:もちろん必要です。明らかにこの2~3年、経営者も含めて、世の中の考え方が変わってきて、長時間労働でないと認められないという雰囲気は大分変わって来ていると思います。しかし、中高年にはまだ「良い仕事のためには超過労働も是とする」という人も多いですし、仕事を与えるマネジメント層から、 効率化や生産性向上を真剣に考えなければならないと思います。


倉島:評価者研修などに、そういう意識改革的なものを入れることはあるのでしょうか?


山口:これからだと思います。大手企業ではすでに始まっているようですが、中堅以下の会社は、様子見というか、まだこれからだと思います。


倉島:管理職の方が変わっていかないと、なかなか変わらないと思いますが……。


山口:当たり前のことですが、早く帰るというか労働時間の短縮だけが必要なわけではないという点が重要です。やはり、生産性向上とセットでなければ……。しかし、生産性を高めると言ってもなかなか難しいですよね。そのようなことができるならば、前からやっていますから……。時短はできると思いますが、やはり成果やアウトプットは労働時間を減らしても維持というか、向上させなくてはなりません。そういったアウトプット志向に切り替えていけるか?生産性や成果で評価することは、一時「成果主義」と言われ、悪評も立ちましたが、もう一度「アウトプットでどう評価するか?」その視点でしっかりできるようにする必要があります。


倉島:生産性を上げるヒントのようなものはないでしょうか?日本は欧米に比べても特に生産性が低いと言われていますが、日本企業が生産性を上げるためには、どういうことを考えていくべきなのでしょうか?


山口:人事制度面のサポートとしては、先ほども言ったように、労働時間ではなく「成果」で評価することが、上司を含めみんなの意識を正常に動機づけるのに必要でしょう。
あとは、例えば、小売業などが典型ですが、日本の過剰品質・過剰サービスの面は改めなければならないかもしれません。海外へ行くと分かりますが、小売業の売り場はすごく雑ですよね。アメリカなどでは、広い売り場に数人しかスタッフがいないといったケースも一般的です。やはり日本のお店はすごく丁寧だし、サービスが行き届いています。コンビニは24時間営業だし、百貨店も年中無休です。海外では土日が休みのお店などたくさんあります。そのあたりを消費者が諦められるか、ということです。日本人は、これまで、無料の品質やサービスを求め過ぎてきたのかもしれません。そういった転換を国全体でやれるようになるか、という部分があると思います。ヤマト運輸など宅配企業が、再配達の有料化を検討するように、これまで無料だったオーバーサービスを考え直さないと、生産性は変わらないのではないでしょうか?そういったタダだと思っているサービスの捉え方を検討すべきだと思います。


倉島:国全体の意識に関わることですね。生産性向上という点では、システムに任せられる仕事は任せることで、社員が本来やらなければならないことに注力するという考え方もあると思います。弊社としては、HR-Platformをご活用いただくことによって情報共有やワークフローの効率化、見える化を進めて、組織全体の生産性を向上させるという点で働き方改革に貢献したいと考えています。


本日は、お忙しい中、ありがとうございました。

 

 


<企業紹介>◎社名/株式会社 新経営サービス◎事業内容/全国の中堅・中小企業に対して、 ①組織・人事に関するコンサルティング(人事諸制度の構築など)、 ②人材育成 ・ 人材開発に関するコンサルティング(経営者 ・ 経営幹部を育てる 『経営者大学』、 リーダーを育てる 『実践管理者養成講座』 など)、 ③経営支援コンサルティング(中期経営計画の策定支援、 年度計画の達成支援など)を行う。特に、 組織・人事コンサルティングの分野に強みを持ち、 専門書の出版、 自社主催のセミナーの開催、各種団体での講演など、 多くの実績を有している。
◎従業員数/80 名 ( グループ合計 )◎URL/https://www.skg.co.jp/

<PLOFILE> Image 41-png山口 俊一(やまぐち しゅんいち)
 株式会社 新経営サービス
 常務取締役 ・ 人事戦略研究所所長
 人事コンサルタントとして 25 年以上の経験をもち、 多くの企業の人事 ・ 賃金 制度改革を支援。人事戦
 略研究所を立ち上げ、 一部上場企業から 中堅 ・ 中小企業に至るまで、 あらゆる業種 ・ 業態の人事制度
 改革
コンサルティングを手掛ける。著書は、 『同一労働同一賃金で、 給料の上がる人 ・ 下がる人』 『社員 300 名までの人事評価 ・賃金制度入門』、『業界別人事制度』 シリーズ、 『成果主義人事 ・ 賃金システム』 ほか、 多数。